前回投稿した漢字の記事に反響があったので、
今回も漢字のクイズからです。
お題は「笑」という字です。
この字がどのようにしてできたか、知ってますか?
すぐには思いつかないですよね。
実は、
"巫女(みこさん)が、両手を上げ、
身をくねらせて舞い踊る姿"
だそうです。
(白川静「字統」より)
神に訴えようとするとき、笑いながら踊り、
神を楽しませようとする様子、
とも解説してます。
上部の「竹かんむり」が、ふりかざしている
両手で、下部の「夭」が、巫女さんが頭を傾け、
身をくねらせて舞う姿です。
いわれてみれば、そのようにも見えてくるから
不思議です。
もちろんこれは白川氏の解釈で、異論もあります
が、このように解釈すると、イメージが湧きますね。
さて興味深いのは、
「笑う」が、
”「神に訴えるとき」に「神を楽しませる」姿"
と説明されている点です。
現代では、笑うとは通俗的な印象を受けます。
私など子供のころ、よく
「男のくせに、へらへら笑うな」
などと怒られたものです・・・。
ところが、元々は神様との交信のようなものだった
となると、ずいぶん話が違ってきます。
また、
"神様を楽しませて笑わせる"
というのも、なんとも面白いところです。
日ごろ、笑うと場が明るくなり、周囲との関係もよくなります。
「笑う門には福来る」
ということわざも、そのようなことを経験的に表現した
ものなのでしょう。
また「笑う」と腹式呼吸になり、呼吸が深くなり、
健康にもいいともいわれます。
「笑いの効用」などとよくいわれますが、
古代の「神さまを楽しませる」ことと関連づけると、
なんとも味わい深い話になります。
私たちも、いつも笑顔で過ごしたいものです。
それが「神様を楽しませる」ことになれば、
こんなにいいことはありませんね!
今日の話が、少しでも皆さんのお役に立てれば
幸いです。