ある晩
男は夢をみていた
夢の中で彼は
神様と並んで
浜辺を歩いていた
空の向こうでは
彼のこれまでの人生が
映し出されては消えていた
どの場面でも
砂の上には
ふたりの足跡が残されている
ひとつは彼自身のもの
もうひとつは神様のもの
人生のつい先ほどの場面が
目の前から消えていくと
彼は振り返り
砂の上の足跡を眺めた
すると
彼の人生の道程に
1人の足跡しか残っていない場所が
いくつもあるのだった
しかもそれは
彼の人生の中でも特につらく
悲しいとき
すっかり悩んでしまった彼は
神様にそのことをたずねてみた
「神様!
私があなたに従って生きると決めた時
あなたはずっと私とともに
歩いてくださるとおっしゃられた
なのに
私の人生のもっとも困難な時
いつも1人の足跡しか
残っていないではありませんか!
私が一番にあなたを必要とした時に
なぜあなたは
私を見捨てられたのですか!」
神様は答えられた
「わが子よ
私の大切な子供よ
私はあなたを愛している
私はあなたを見捨てたりはしない
あなたの試練と苦しみの時
1人の足跡しか残されていないのは
それは私があなたを
背負って歩いていたのです」
~作者不詳~