鬼コーチ、ついて行ったらこうなった①ロビーで撃沈の巻 | たかみんの脳みそ混乱記

たかみんの脳みそ混乱記

落ち込んだり悩んだりした時間を忘れない。優しさやいたわりをもらって支えられて生きていることを忘れない。
他人に追い越されたり置いていかれても、自分なりに歩いて行こう、そうしよう。

精神科の主治医(鬼コーチ)が転勤した。
同じ市内の
これまた大きな病院へ。

私はこの土地の出身ではないし、
現在治療中の身体の疾患を患うまで
病院通いをした事はほとんどない。
(高熱や腹痛を起こしても
野生動物のように丸くなってじっとし、
一晩すぎれば自然と治っていたのです)。
そんなわけで、鬼コーチの転勤先の病院にも
初めて足を踏みいれた。

正直、、、撃沈した

歴史のある古い病院なのだが、
数年前に改築し、今風の大変素敵な病院になっていた。

それが逆に私にとっては
刺激が強すぎて恐ろしい環境なのだ。

まず、ロビー(エントランス?)は
外に向けて全面ガラス張り
しかもロビーの広さが半端じゃない…
田舎の病院のくせに
100人以上は楽々入りそう…
マリオの学校の体育館より広いかも。

そのだだっ広いロビーの両端には
巨大なテレビが配置され
それぞれが別のワイドショー番組を大音量で流していた。

天井は高く吹き抜け
老舗の精神病院のイメージを覆す
素敵なホテルのエントランスみたいな雰囲気に

私は撃沈したわけであります

広い、天井高い、
まぶしい、刺激が強い、
その状況にたくさんの患者が順番待ちをしていて
ベンチには空きスペースもない…。

私は男性恐怖症なのだが
その日の待合室にはなぜだか
ガタイ(体格)の良い
いかつい感じの男性陣がいっぱいいらして、
体調が悪いのか皆さんイライラで
病院スタッフに大声で怒鳴ったり
雑誌を見ながら貧乏ゆすりをしていた

あとは
誰彼構わずに大声で話しかけてくる
おばあちゃま……。

人混み恐怖でスーパーの買い物さえ
脂汗を流しながらの私には
その状況は無理すぎた。

だだっ広く仕切りのないロビーは
患者を一望出来るので
安全を図る為に必要なのだろうと理解した。

でもさ、
そういう環境が怖くて不安で
日常生活に支障をきたしている患者の為に
静かに過ごせるコーナーや
男性恐怖症の女性の為の別部屋も
用意してほしい。

結局、初診の日
私はロビーが怖くて
逃げ場を求めてフロアーをウロウロしながら逃げ回った。

トイレにも行ったが一人で占領も出来ない為、
静かそうな廊下の端に落ち着きかけたら
そこは
隣接するデイサービス施設と
入院病棟への連絡通路だったらしく、
頻繁にスタッフが行き交う場所だった。

看護師さんを捕まえて
「この環境が凄く怖い、どこか静かな所で待たせてもらえませんか?」と伝えたが、
帰ってきた返事は
「そういう場所が無い」というものだった。
「もう少しで中に呼ばれるから待って」と言って
看護師さんは去って行った。

あぁ、そうだね、
ここは精神科なんだもの
こんな患者日常茶飯事なのでしょう、チクショー

またもや廊下に逃げて行ったが
もはや
心臓はバクバク、
呼吸困難で息が出来ず、
その場にいるのが怖くて
逃げ出したい強い不安感に襲われ

その場に倒れこんでしまった。

そこに通りがかったのが
精神保健福祉士(PSW)さん。

事情を話したところ
ご自分の職場の
『医療連携室』に案内してくれた。
 
静かで落ち着いた事務室で
片隅には面談コーナーのテーブルとイス。

そこに座らせてもらい
診察に呼ばれるまで待たせてもらった。

その間、PSW氏は
私がパニック発作を起こした理由を
聞き取ってくれた。

私だってわかってはいるのだ。
ホテルのような素敵なロビーが
心を前向きにするだろうことを。
月に一度の通院しか出来ない患者さんに
少しでも
明るく華やかな気持ちになってもらう効果があるだろうことを。
鬱や不安や不眠症は日中に陽の光を浴びることで
脳内のセロトニンの量が増えて
症状が緩和するだろうことを
世間一般の
「精神科=鉄格子」のイメージを払拭し
心の病に苦しむ人やその家族が
勇気をだして通院して来られるように
環境整備と地域へのイメージ戦略も必要なんだろうことも、
わかってはいるんだ。

ただ、
病院が怖くてパニック発作がでてしまうと
通院出来なくなってしまう、
それって本末転倒……

PSW氏は真剣に聞いてくれ
看護師とドクターにも話しておくと
言ってくれた。
ありがたや。

やっと看護師に呼ばれ
診察前の問診で血圧測定をしたら…
150!!
はぁぁ?
私、平常時は100を切って90台の
低血圧なんですが⁇‼︎
そんな数値、人生初だし Σ('◉⌓◉’)

鬼コーチの診察にたどり着いた時には

真っ白に燃え尽きて
おりましたとさ




つづく