「がんばろう!福島」と書かれた幟(のぼり)が風になびいていた。


 どこの被災地にいっても、道路沿いや人家に各地域名の“がんばろう!”幟が立ててあった。「いつまでも歎いてはおれない。自分たちの力で立ち上がろう!」という気概だろう。


 警視庁がまとめた大震災の被災者状況(528日現在)は、死者15256人、行方不明8565人、避難者103305人。


 何とも、無残で、痛ましい限りだ。しかし、お会いした皆さんが「何とか、頑張ってやっていきますから・・・・・」と、口にされていたのが印象に残る。


 被災地へ行くと、各県あるいは各地域によって、やはり空気が違う。福島県は海岸線から陸地へ向かっての傾斜が高く、浜通り(太平洋に面する東部の沿岸地域)、中通り(中央)、会津(西)では、まったく空気が違う。


もっとも悲惨なのが浜通りで、津波と原発事故の影響をもろに受けている。中通は原発から5060キロ離れているが、盆地で風向きによっては放射能の危険が増してくる恐れがあり、子供を抱えている家庭では戦々恐々のようだ。会津の人たちは、風評被害を心配しており、現に観光や農作物等において、かなり影響を受けているという。それにしても、原発事故で外のすべてが飛んでしまった感じだ。


 宮城県は仙台平野が広がっているだけに津波の被害が深刻だ。瓦礫や残骸処理は、かなり進んでいた。しかし、遠くの海岸線まで何もない風景が延々と続くさまは異常だ。TVで見た、津波が押しよせる場面が脳裏に浮かぶ。平地で逃げ場がなく、どうしようもなかった状況を考えると無念さが増す・・・・・。仙台市内に入ると、何もなかったのではないかと一見錯覚するほど、日常性が戻っている。さすがに、地震の揺れは凄かったらしく、天井が落ちたり、備品等が倒れたりしたそうだ。仙台市内でも訪ねた事務所2社が震災後移転をしており、断層がおきて事務所兼住居が使えなくなった方もおられた。


 津波の被害は、東北三県の中で圧倒的に宮城や岩手が甚大。でも、ニケ月たった今、福島の空気は未だ重い。なぜか?「福島は、未だ進行形なんですよ・・・」、この言葉がすべてを物語っている。


 「人間が自然を守るなんておこがましい」「日本は、これを切掛けに変わらないといけない」等、ある被災者たちの言葉だ。


 自然への畏敬、そして人間の持つ底力いずれも大切だ。日頃、気づかないあらゆる関係性の有難さを感じるという。“がんばろう!”みんなで・・・・・。

(H23.5.30)