多くの組織は、複数の部門によって構成されている。企画・開発、生産、営業、アフターサービスなどはその典型である。それぞれ仕事の役割や貢献の違いがあるので管理の効率性を考えると当然の分化だといえよう。
しかしながら今日、「組織内における部門間のコミュニケーションの悪さが組織のなすべき成果の阻害要因となっている」との指摘がある。いわゆる、タテ割り組織の弊害である。お互いに縄張り意識が働いたり、“部門目標”の達成を優先するあまりに部分最適に走ったりで、いつの間にか風通しが悪い環境ができてしまうのであろう。一言でいうと、セクショナリズムの横行。
変化の時代には、組織の柔軟性が要求される。そして、部門間の協力なくして柔軟な対応はできない。つまり、部門間の関係性を良くしていかない限り、組織の抱えている問題の抜本的解決は、今やあり得ないのである。
では、どうすれば部門間の良好な関係性がつくれるのであろうか?
部門は、部門の役割や貢献を明確にするために“部門目標”を立てる。これは当然である。目標がなければ、部門のベクトルを合わせることはできない。実は、その時に大切なのは、他部門の目標達成に関わることができる貢献は何かを明らかにしておく必要がある。また逆に、他部門に期待できる貢献を明らかにする必要もある。つまり、部門間の良好な関係性をつくるためには、目標設定の段階で、部門間の関係性のあり方を明らかにしておくことが重要なポイントとなる。これは、個々人の目標設定においても同じことがいえる。
元来、組織とは協働行為の体系、システムであるから、組織を構成する部門や個人の相互関係性を明らかにしておかないと、組織としての成果が十分に得られなくなるのは当然である。
これら相互関係性の構築とコミュニケーション機会として、唯一有効な手段が経営計画の策定であると考えている。言い換えると、経営計画策定のプロセスで、これらの関係性つくりを十分にやっておかないと、相互の協力関係は上手くいかないだろうし、成果も出てこないだろう。
毎期、経営計画を策定するとき、部門長は“部門目標”をつくるのに専念すると思うが、それらの目標は、組織全体の目標をベースにおいて考える必要があることを片時も忘れてはならない。
環境(市場や顧客ニーズ)の変化は、組織に新たな問題をつねに提起する。その問題は、必ず部門と部門の境界に関わるものであると肝に銘じておきたい。
(H23.5.9)