マネジメントの役割の一つに、“生産性向上”というテーマがある。毎月末に開かれるIG会議でも、いつも話題にあがるテーマだ。つまり、仕事を生産的なものとし、働く者に成果をあげさせるために、どうすればいいのかという問題である。
なぜ、そんなに生産性のテーマに拘るのか?組織の利潤目標のためか。それだけではない。働く者の生活の豊かさ、存在感、コミュニティとの絆、自己実現を図る手段として極めて有効性が高いからである。
数年前に、アメリカなど他の国と比べて日本の労働生産性の低さが話題にされたことがある。お国柄の違い等があるので一概に何ともいえないが、国内や業界内においても個々の企業において、生産性のバラツキは相当ある。生産性の判定基準としては、付加価生産性(=付加価値/従業員数)がポピュラーで、分かりやすい。
「企業間における生産性の格差は、マネジメントの質の違いを反映している」と指摘されることが多いので、自社の目標値を明確にしておいたほうがよい。
では、生産性に重大な影響を与える要因とは何だろう?この点に関しても、P・ドラッカーの指摘は鋭い。労働や資本など、会計学や経済学のいう生産性要因に、次の要因を加えておくべきだという。
① 知識(知識の有無、使い方など)
② 時間(優先順位、有効活用など)
③ 製品の組合せ(資源の組合せなど)
④ プロセスの組合せ(内製と外製、販売網のつくり方など)
⑤ 自らの強み(能力と限界の見極めなど)
⑥ 組織の構造、活動のバランス(マネジメントのなすべき役割など)
確かに、これら要素の組み合わせが“生産性向上“に大きく結びついているのは間違いない事実である。(IG会議の中でも、その必要性の意見が出てきた)
さらに、働く者の考え方や姿勢そのものが“生産性向上”に大きな影響を与えている。それは、一言でいうと責任であろう。働く者に成果をあげさせるためには、その仕事に責任を持たせる必要がある。仕事に対する当事者意識や責任観念の強い者のモチベーションは相当高いものがある。周囲からの信頼も厚く、質のいい仕事が廻ってくるようになる。結果、生産性もよくなるのだ。
“生産性向上”はマネジメントの役割といったが、これからは一人ひとりが自らをマネジメントする時代である。そのためにも、目標管理を徹底して実施し、生産的な人間に成長すべきだと考える。
(H23.5.2)