「“組織”の構造は戦略に従う」 P・F・ドラッカーの名言の一つである。
つまり、“組織”の構造に取り組むには、目的と戦略から入らなければならないという。戦略とは、「われわれの事業は何か」という問いへの答えである。“組織”の目指すべき成果の方向性(=ミッション)を明確にした上で、“組織”の基幹的活動は決定されるべきだという。“組織”とは、協働行為の体系である。つまり、共通の目的に対して協力し合い、一人では到底できない大きな成果を実現したいという“組織”の構成員一人ひとりの想いと行動の有機的なシステムなのだ。その意味においても、ドラッカーの洞察は的を射ている。
今、“組織”改革が叫ばれている。その理由は、環境の激変により戦略の転換を余儀なくされているからだ。つまり、戦略を変えざるを得ないのに、“組織”は従前のままというわけにはいかない。
混乱や摩擦、生産性の低迷があるとすれば、自らの“組織”構造を根本から見直してみるのも一考だろう。
① 先ずは、「戦略」の確認。事業領域(ドメイン)は、自らの強みと合致しているか。目指すべき成果は、顧客の満足や社員の成長そして“組織”の価値観に叶っているか。
② 次に、戦略実行を担うべき「業務」の確認。卓越した成果を出すために、自社に必要な「業務」は何か。これが、“組織”の基本的活動の単位を決める。
③ そして、業務の「組合せ」の確認。いかなる業務活動を一緒にするか、または分離するのか。貢献の種類が同一であるかどうかが判定の基準となる。
④ 業務活動の「サイズ」と「形」の確認。いかなる大きさと形にするか。
⑤ 業務活動の「位置づけ」と「関係」の確認。いかなる位置づけを行い、いかなる関係をもたせるか。一つは、意思決定の権限と責任どのように与えるか。もう一つは、自らの業務の成否や自らの貢献の有効性を左右する関係は何か。
以上のプロセスを踏んで、一度、“組織”構造の点検をしてみよう。
さらに、あらゆる“組織”において、次の3つの活動を“組織”しなければならない。
① 既存事業に関わる活動(可能性の追求と問題処理のマネジメント)
② トップマネジメントに関わる活動(全社的課題と全体最適のマネジメント)
③ イノベーションに関わる活動(未来価値創造のマネジメント)
そして、“組織”とは人である。「人の仕事ぶりこそが組織構造の目的であり、その良否の判定基準である」(ドラッカー)という言葉を付け加えておきたい。
(H23.4.18)