NN構想首都圏地域会が主催する後継者育成塾へ講師として招かれた(4月8~9日、湘南国際村センターで開催された)。今回、二度目である。元気で、率直に意見を述べる後継者が多いので、楽しみだ。
今回のテーマは、『「マーケティング&イノベーション」~企業の唯一目的は、顧客の創造にある!』である。
さっそく、飛び出す率直な疑問。「なぜ、“利益”の追求が目的ではいけないのか?」
そう!これぞ、とことん議論してもらいたい課題の一つだ。社長は“利益”が出ないことを嘆き、愚痴をいう。銀行はじめ利害関係者だって“利益”にしか関心を示さない。現実が物語っている事実を、どう見るのか・・・・・。
確かに、「“利益”がなければ、企業の存続はあり得ない。存続してこそ、意味があるのではないか」
でも、「人は空気と水がなければ生きていけない。かといって、人間は空気と水のために生きているのではないよね・・・・・」 企業にとって、“利益”は空気や水と同じ。
「会社が利益のために活動しているのであれば、社員は何のために働くのか?給料のためだよね。給料はコスト、利益を出すためにはコストを削減する必要がある。
だとすれば、会社の目的と社員の目的は対立することになるよね・・・・・」 この矛盾をどう考えるのだろか。・・・・沈黙。
そもそも“利益”の定義って何だろう?一定期間における収益と費用の差額、これが“利益”だと会計的に認識している。ところが、ドラッカーは、そんな“利益”を幻想だという。存在するのはコストであって、“利益”も然り。そして、“利益”の役割を次のように定義している。
① 成果の判断基準(成果のバロメーター)
② リスクに対する保険(顧客への責任)
③ 労働関係を整える(働く人への責任)
④ 社会に対する貢献(社会やコミュニティへの責任)
このように考えると、目先の“利益”にばかり気を取られ一喜一憂していてもしょうがないし、過去の実績の帳尻合わせの決算を組んでも、企業の実態は何も変わらないということである。
経営で大切なことは、ゴーイングコンサーン。将来にわたり価値を創造し続けていくことである。“利益”は、未来創造のためのコストである。ゆえに、“利益”の目標は最大ではなく、最適。自社にとっての必要最小限の“利益”を見定める必要がある。
(H23.4.11)