今回のテーマは、“マーケティング”。それは、IGグループが今年度取り組んでいる基本概念の一つである。


 日本マーケティング協会は、“マーケティング”を次のように定義している。


「“マーケティング”とは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場(=顧客)創造のための総合的活動である」


 どうだろう?読めば、意味は分かる。しかし、行動へのイメージが湧かない。しかもすぐに忘れてしまいそうだ。


 その点、ドラッカーの「“マーケティング”の理想は、販売を不要にすることである。“マーケティング”が目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである」という表現はインパクトがあり、心に残る。


 「企業の目的とは顧客の創造。そのために必要な基本的な機能が“マーケティング”とイノベーションである」と、ドラッカーは企業における“マーケティング”活動の位置づけを明確にしている。


 「販売不要、売れる仕組み」とは、顧客の欲求からスタートしなければならないとしている。まさに、マーケットインの考え方である。さらに、「消費者運動の存在は“マーケティング”の恥である」とも述べている。そして、「消費者運動こそ、“マーケティング”のにとって機会でもある」と続く言葉は、市場の抱える問題への取組みこそが企業の存在価値を高めてくれることを示唆している。


 一方、市場におけるニーズの多様化やコモディティ化は、中途半端な、特徴のない企業の存続を許さなくなってきているように思える。つまり、何にでも対応しようとすると見捨てられる。自らの強みを生かせるような“マーケティング”の発想が求められているのだ。


 いわゆる、「選択と集中」である。今や、拡大ではない。強みを発揮できる分野へ的をしぼることからスタートすべきである。そして、その市場において目指すべき地位は最大ではなく、最適。市場シェアとして狙うべきは、上限ではなく最適であるという。


 しかし、マーケティングだけでは企業は成功しない。つねに、もう一つの機能であるイノベーションが両輪として働いていなければならないという。変化を起こし、新しい満足を生み出す機能である。


 そして、“マーケティング”は組織全員の仕事である。顧客と関わりを持つ者全員の仕事であることを自覚すべきだと考える。


(H23.4.4)