今回のテーマは、真摯さ”。一つ腹を据えて考えてみたい。実は、過去にまとめきれずに頓挫したテーマの一つだ。「いざ、書こう!」と思うと難しい・・・・・。
このテーマとの出逢いは、一つは経営人間学講座、もう一つはピーター・F・ドラッカーの書籍である。前者は思想・価値観を学ぶ者の心構えとして、後者はマネジメントの重要な資質として、いずれも“真摯さ”を問うている。
広辞苑によると「真摯=まじめでひたむきなこと」とあるが、ドラッカーのいう“真摯さ”はもっと奥が深い。「“真摯さ”を絶対視して、初めてまともな組織といえる。・・・(マネジャーが)いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、“真摯さ”を欠けていては組織を破壊する」と言い切っている。
つまり、ドラッカーがいうところの“真摯さ(integrity)”とは、真摯な態度のバックボーンとなっている価値観(=その人の思考の枠組み)の質の高さをいっているのではないだろうか。
経営(マネジメント)とは、真理(=経)と一体となった営み(=営)をいう。「仕事を通して、世のため人のために尽くしたい」という使命観や価値観への到達、そのブレのない思考と実践の一貫性。それを、“真摯さ”と表現しているのであろう。
ドラッカー自身は次のように述べている。
「“真摯さ”の定義は難しい。しかし、マネジャーとして失格とすべき“真摯さ”の欠如を定義することは難しくない」
① 人の強みよりも弱みに目を向ける者
② 「何が正しいか」よりも「誰が正しいか」に関心を持つ者
③ “真摯さ”よりも頭の良さを重視する者
④ 有能な部下を恐れる者
⑤ 自らの仕事に高い基準を定めない者
以上、「“真摯さ”の欠如」という視点から具体化している。他に、「部分最適でしか思考できない者」なども加えてみたい気がする。
ドラッカーが求める“真摯さ”は、経営人間学講座では「統合の価値観」として明確に論じてある。それは、自他を分離しない、場を中心に捉える関係性思考あるいは全体と部分の関係性を重視する思考(=システム思考)であり、「統合の価値観」に基づく創造的リーダーシップこそが組織に求められる、としている。
ドラッカーが提唱している「自己管理による目標管理」は、まさに“真摯さ”をテーマとした人間形成を目指しているマネジメント・システムといえそうだ。
(H23.2.28)