(社)内外情勢調査会(時事通信社事務局)の支部懇談会で、山口義行教授(立大)の講演を聴く機会を得た。NN構想の全国大会(第9回)で講演を頂いて以来であるから3年ぶりの聴講である。


 演題は「日本経済展望~どうなる今年、そして10年後」というテーマであったが、概ね主旨は次の通りだ。


 100年に一度といわれる構造的変化の真意を捉え、個々が主体的に革新と創造へ取り組む必要がある。そのために必要なことは、次の3点だ。


 ① “読む力”と実践力

 ② グローバル化への対応力

 ③ つなぐ力


 この3点はセットであると思うが、“読む力”について少し考えてみたい。


 “読む力”とは、一言でいうと関係性と変化をどう読むか。つまり、環境(マクロ・全体)と自己(ミクロ・部分)との関係性とその変化によって引き起こされる現実を先読みし、対処する力だといえよう。


 世の中のすべての事象は、関係性と変化によって成立している。そして、今の時代は、その影響が地域にとどまらず、すなわちグローバル化しているので、事態が複雑かつ多様になっている。よって、大変な時代なのである。


 “読む力”をドラッカー流にいうと「すでに起こった未来」をどう読み取るかであろう。「すでに起こった出来事で、もはや元にもどれない。しかも重要な影響力をもつ変化」さらにその変化にどう向き合うのか(IT・情報化、グローバル化、少子高齢化等々の影響)。


 「知行合一」という言葉があるが、“読む力”も同じだ。洞察力に、実践力が伴ってはじめて社会的な意味が生じる。つまり、変化の傍観者ではなく、その中心に自らを置くことができるかどうかである。つまり、自らが積極的に関わっていかないと何も変わらないのである。すなわち、「座して死を待つ」のか・・・・・。


 時代を“読む力”は、実践力が伴ってイノベーションという成果に結びつく。言葉を変えていうと、“読む力”とはチャンスを見つける力(洞察力)であり、チャンスを計画に変える力(企画・構想力)であり、そして実行のための仕組みをつくる力(プロセス構築力)であり、成果に結びつける力(行動管理力)であるといえよう。


 未来に責任をもつ行動をしたい。そのためには、変化を“読む力”を身につけ、新たな関係性を構築する力(つなぐ力)を養う必要がある。

(H23.1.31)