市場飽和の時代、売上げや業績の確保に四苦八苦している企業が多い。同時に、「それが不況のせいではなく、顧客の支持を得られなった自社の体質の問題である」と考えるようになった主体的な経営者が徐々に増えている。
そのような経営者は、P・ドラッカーの「企業の唯一目的は、顧客の創造にある」という有名な言葉をかみしめながら、顧客創造の必要条件であるマーケティング&イノベーションという経営的テーマに真摯に取り組んでいる。
しかし、マーケティング&イノベーションだけでは十分とはいえない。企業が持続的な顧客創造の基盤をつくるためには、“生産性”の向上という管理的機能の充実を一方においてしっかりと確立させる必要がある。
今回は、“生産性”というテーマにしぼって考えてみたい。
市場の成熟化の中で、量から質へ発想の転換が課題となっている。このことは、“生産性”の課題が機械や道具といった手法の問題(=効率性)ではなく、働く人間の姿勢の問題(=効果性)へと変化したことを意味しているといえよう。この変化にいち早く気づいたのが、P・ドラッカーである。
氏は“生産性”向上のための新たな視点として、概ね、次のような考え方を示唆してくれている。
(1)成果の定義(仕事の目的を問う)
(2)分析(必要な作業、資源、道具の洗い出し)
(3)体系化(相互関係性や段取りの構築)
これは、あらゆるビズネスモデルを構築するときの基本的な手順である。さらに、この考え方に基づいて「仮説~実践~検証」のサイクルを通して、継続学習の場をつくり“生産性”の勝ちパターンをつくり上げていけば、万全である。
IGグループが新しいビジネスモデルとして展開している、リスク計算のための「循環モデル」は上記のような考え方に沿って確立されたものであり、その実証のために「仮説~実践~検証」を繰り返し、フィードバック機能を高めているところである。
人間は生産的な仕事に関わっているときが一番成長できるし、また周囲との良好な関係性を築けているという。マーケティング&イノベーションという創造的な機能と“生産性”向上という管理的な機能がマッチングしているときがもっとも組織も個人も生産的で、成長をしている時ではないだろうか。
“生産性”向上は、自己成長及び他との良好な関係性のためにも、つねに追及し続ける必要があると考える。
(H22.12.20)