IG幹部会での話題。もう10年は経つが、幹部の思想・価値観を高める学習の一環として、“IG活動”を実践している。
毎月の「経営人間学講座」の筆耕文から気になるところを引用し、順番制で自らの思想・価値観のあり様について述べてもらう。その後、皆でディスカッションを行い、自己革新のために衆知を集める機会としている。
今回のテーマは「自己変革」、そのキーワードは「成長」。発表者の仕事は、企業再生業務。クライアントが正常の状態に戻るまでに時間を要するし、なかなかの力仕事である。
企業再生コンサルの要は、『その企業の全体構想をしっかりと把握し、諸々の壊れた関係性を再構築できるか』にかかっている。ヒヤリング調査、再生のシナリオつくり、実行の後押しなど、そのプロセスで相手に自己否定を厳しく迫る場面もでてくる。気合を入れすぎて、相手に警戒心を持たれ、本音を聞き出せなくなる。当然ながら、ビジネスは先に進まなくなるのである。
担当者としての自問自答が始まる。「生死の問題を抱えている相手と一体になり得ているのだろうか?自分が導こうとしている方向性に間違いはないだろうか?相手に自己否定を厳しく迫まっているが、自分は自己を正当化することに終始していないだろうか?」等々、考えさせられることも多いと思う。
『人間は失敗の原因を自分でつくっているにも関わらず、その事実に気づかないのです。自己否定をすると、人生の敗北につながると誤解しているのです。その逆で、自己否定できる人ほど、成長がはやいのです』(講義抜粋)。彼は、この内容にハッとさせられたという。
企業再生の仕事を通して、相手に自己否定を迫る場面が多い彼だが、「果して、自分自身はどうだったのか?自分の中にある一番醜い所や汚い所に蓋をして、見てみないふりをしてきたのではないか?」
自己肯定は現状維持。企業再生という重要な仕事を担っている以上、力不足を痛感することも多々あるだろう。ゆえに、もっと成長したいと考えるのは必至。『自己否定できる人ほど、成長がはやい』という言葉が目を引いたのであろう。
自己の統合が目的!自己否定はそのための手段である。人間は、自己を統合できてこそ、全体の構想をきちんと把握できる人間に成長できるのである。その意味において、彼が自己否定に目を付けたのは、今後の思想・価値観の学習に大いに役立つだろうと考える。
(H22.11.22)