同じような環境で働きながら、仕事のできる人とそうでない人がいる。つまり、仕事の質とスピードに、歴然とした差が見て取れるのだ。しかも、その差はどんどん拡がっているような気がする。


 問題は、「その差がなぜ生じるのか?」である。いろいろな指摘もあると思うが、有力な要因を一つだけあげるとすれば、それは“仮説力”の差ではないだろうか。その“仮説力”について考えてみたい。


 “仮説”とは、「こうすれば、こうなるに違いない!」「これは、こうに違いない!」「こうだから、こうであるに違いない!」など、思考の中でいきつく、最も真実に近い“仮の結論(=答え)”である。もちろん、真実ではないので検証する必要はあるが・・・・・。


 実は、仕事ができる人は、他の人よりも結論を出すのが早いのだ。それは、“仮説力”が人よりも高いわけで、限られた情報の中で問題発見とその解決策を見出す力を鍛えているのである。


 人間には誰でも、“仮説力”が備わっているという。つまり、日常性のなかで誰もがその力を漠然と使っているのだ。しかし、それでは意味がないのであって、“仮説力”を高めるためには先ず、それを意識化することである。


 では、人間はどのような思考パターンで“仮説”を立てているのだろうか。次の3つの思考パターンが考えられる。


「直感的」思考


 いわゆる「ヒラメキ」である。普段から固定観念にとらわれずに自由な発想を心がける。そこから生まれた「ヒラメキ」を“仮説”として意識してみるといいだろう。


「経験的」思考


 「経験」は、“仮説”に大いに役に立つ。経験によって知識の引き出しが多くなるからだ。反面、過去の経験に捉われ過ぎて、変化に適応できなくなる恐れがある。


「論理的」思考


 三段論法のように「ある明確な事象から筋道を立てて結論を導き出していく思考法」で、論理性が高く、他者に説明しやすいという長所がある。


 以上、いずれの思考パターンも一長一短がある。普段から、組合せながら実践し、“仮説力”を鍛えたいと思う。さらに、いうに及ばないと思うが、“仮説力”を必要とする人とは、つねに「何のために」という目的思考で仕事に取り組んでいる主体的人材であるということをつけ加えておきたい。


 では、次回は「仮説」と対である「検証」について考えてみたい。

(H21.12.21)