先週末に開催された「NBM実践研究会」(第29回)の研究テーマは、『自らの中期“ビジョン”を明確にする』であった。


 当研究会は、日頃の実践による課題を質問形式のレジュメにまとめ、それらをグループ討議することによって、基礎コースで学んだビジネスモデルを進化させ、実践可能性の徹底追求とその成果を共有していこうというメンバーの集まりである。


 参加メンバーの誰もが、組織に対して新事業(未来会計の領域)を収益化する責任を担っていると思われるが、その想いの程をどのような形で、自らの“ビジョン”として明確にしているかを確認しあうことが、今回の課題であるといえよう。この試みは重要である。なぜならば、成功には必ず、その基盤に“ビジョン”があるからだ。


 慣れ親しんだ快適ゾーンを捨て、新たな領域へチャレンジするには、覚悟が必要だ。それは思った以上に骨が折れる仕事であり、何度も心が折れそうになる。そんなとき必ず、“ビジョン”がパワーを発揮してくれるのだ。


 「人生は心一つの置き所!」(中村天風)。苦しくて、心が折れそうで、逃げ出したくなったとき、必ず思い出すようにしている言葉だ。「心」とは、「自分がどうしても実現したい“ビジョン”だ」と考えるといい。


 では、“ビジョン”の持つ効果について考えてみたい。


(1) 実行意欲が湧いてくる


 それは、“ビジョン”によって為すべき課題が明確になるから、迷いがなくなる。“ビジョン”を持つと現実を直視できるようになる。“ビジョン”と現実との差(=問題)こそが、新たな価値を生み出す課題だと認識できるからだ。


(2) 逆境に強くなる


 「リスクは、チャンスである!」という言葉があるが、“ビジョン”を持つと「逆境は、成長のために自らが呼び込んだ必然だ!」と考えるようになるから不思議だ。


(3) 仮説思考ができるようになる


 “ビジョン”とは、未来に軸足を置いて思考し、行動するパワーである。つまり、結論から物事を考える力が湧いてくるから、仮説思考ができるようになり、変化に負けないスピードが身につくようになる。


 もちろん、もっと、もっと、たくさん“ビジョン”の持つ効果はあると思う。多くの人を巻き込む力もそうであろう。


 そして、自らの“ビジョン”がより大きな効果を発揮するためには、その先にある“高次元の目的”が必要であることを忘れてならないと考える。

(H21.12.7)