IG後継者育成塾(第2期)が順調にスタートした。ロングランのシリーズものに育つかどうかは第2期の評判いかんにかかっているので一安心である。


 小生のオリエンテーションを兼ねた導入講義の後、グループ討議が延々と続く。今回のテーマは、ピーター・F・ドラッカーの「5つの質問」。一つひとつについて、じっくり考えてもらうことにした。その一つである“ミッション”について考えてみたい。


 「われわれの“ミッション”(使命、経営理念)は何か?」 これは第1番目の問いで、この問いの解を深く考えることこそがトップマネジメントの第一の責務であろう。


 なぜ、“ミッション”が必要なのか?


 ドラッカーは、組織について次のように述べている。「組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわち、組織には“ミッション”がある。目的があり、存在理由がある」。つまり、組織の前提は社会貢献である。ゆえに、組織にとって自らの“ミッション”を明らかにすることは存在理由そのものなのである。


 働く個人にとって、“ミッション”はどのような意味があるのだろうか?“ミッション”をもって仕事をするのとそうでないのとでは何が違うのだろうか?それは、一言でいうと喜びの次元が変わるということはないだろうか。


 “ミッション”をもたずに働いている個人は衛生要因にばかり気がいっていまい、それが満たされることを喜びとするであろう。一方、“ミッション”をもって働いている個人は動機づけ要因へと意識が働き、人や社会へ貢献できたことを自分の喜びとすることができるようになる。


 自分の欲求が満たされることを自分の喜びにするのと、自らの貢献によって喜んでくれている他人の喜びを自分の喜びとすることができるのとでは、喜びの次元が違うのである。つまり、価値観の次元が全然違うといってよいだろう。


 考えるに、“ミッション”が組織や個人の存在を保証しているのであって、また“ミッション”に基づいて行動することがそれらの成長のエネルギーとなり得ることが容易に理解できよう。


 自らの“ミッション”を定め、そして誰を顧客にするのか(喜んでもらう相手のこと)、さらに顧客の望んでいる価値をつねに確認し、その成果に焦点を合わせて行動できるように、きちんと計画を立てる。

 かねてから、経営計画の重要性を訴えてきたが、“ミッション”に基づいた正しい経営をするためには、計画は欠くことができない、極めて大切な経営のインフラだということが理解できる。

(H22.9.20)