NN構想の会主催の「新ビジネスモデル研究会(NBM)」(第10期)がスタートした。今年も満員御礼で盛況である。
元来、会計事務所が新しい時代環境においても、社会的インフラとしての役割を担えるよう、自己革新するために必要な「事業領域の再構築やその事業化のためのビジネスモデルを研究すること」を目的としてスタートしたのだが、常連の事務所においては新人研修の場として活用しているところもある。
第1回目は、会計人の仕事の基礎をなす「会計データの作成」業務に関する環境整備の仕方についての研究だ。グループ発表のなかで「“経理”とは何か?」というテーマについて、有意義な気づきがあったので紹介したい。
“経理”を定義すると次のようになる。
「経営管理の略語で、企業の経営活動の結果生じた会計上の取引(財産の増減を伴う取引をいう)を原始証憑確認のうえ、正規の簿記のルールに従って会計処理を行い、正確かつ明瞭な会計帳簿を作ることにある」。
そこで、“経理”の仕事は、次の3点に要約される。
① 経営活動の結果を計数的に記録し、把握すること
② その情報を一定のルールに従って各種報告書としてまとめること(月次試算表、決算書、税務申告書など)
③ その情報を経営に役立つように加工すること(財務分析、連結決算、部門別計算、資金繰り表、予算など)
“経理”の仕事に携わっている者であれば、①と②に関しては当然なことだという認識はあると思うが、③にまで踏み込んで“経理”の仕事をしている人は意外と少ないのではなかろうか。しかし、経営に役立つ会計帳簿の作成を目指すならば、③の領域への踏み込みが重要である(経営者目的の会計を確立するためには欠かせない)。
中小企業の“経理”部門は、他にも総務・人事・労務・庶務といった業務を兼ねているケースが多い。また、他部門との関係性を良くし、日頃から情報が入ってくるようにしておく必要があるから、思った以上に心遣いが必要な仕事である。
昔から不況になると、財務に強い人材が経営者に抜擢されるといわれていた。確かに、変化の激しい時代は目先の処理ではなく、長期的な視野に立ってリスク計算ができる戦略的な“経理”が必要とされよう。
私たちは、“経理”に限らず、自らの仕事・その役割の価値をつねに進化させていくように心がけ、深く考えて、仕事に奉仕していく必要がある。
(H22.10.25)