”考える言葉”シリーズ(10‐28)・エブリワンで紹介をした塩谷信男先生の『100歳だから伝えたいこと』(2002年初版)という題名の本が入手できた。
100歳まで現役を標榜している小生にとってインパクトの強い本である。他に松原泰三先生の『百歳の禅語』もそうであるが、北村西望先生(長崎出身の彫刻家で平和記念像の作品で著名)は諏訪神社の境内に馬の銅像を残しているが、102歳のときの作品だという。
100歳になっても創作意欲を持ち続けた先人の事例は、大いに励みになるし、なによりも勇気づけられるので、有難いと思う。
さて、『100歳だから・・・・・』の本の中に、塩谷先生の次の語録が紹介されている。
『願いを実現するには、「~したい」でも「~になりたい」でもない。すでに「~できた」という“完了形”による断言が大切だ』。
受験のときだった思うが、「合格させてください」という他力ではなく、「合格します」という自力で唱えるほうがいいと誰かがいうと、そうでなくて「合格できた!」を寝る前に頭の中で10回唱えるほうがもっと効果的だと言い出した人間がいて、妙に納得したという記憶が私のなかにある。
「~できた」という“完了形”による断言は、「先見経営・先行管理」のマネジメントを遂行するにあたっても、大切な心構えだと考える。
以前に、京セラの稲盛和夫氏が「新事業が成功するときは、すでにスタートする前に成功したときのイメージが完全に出来上がっている。だから、失敗するはずがないのだ」という風なことを述べておられたようだ。つまり、成功する人はみな、そうなる前から、そう確信しているのである。
目標を“完了形”で立てるという発想は、想像している以上に意味があるように思える。さっそく、IGグループの目標管理システムに活用しようと決めた。毎月末に、部門・各人ごとに成果発表をしてもらうのであるが、発表すべき成果を月初めに「~ができた」と“完了形”で書き出してもらっておくようにした。
どのような変化が起きてくるのか興味津々である。恐らく、部門・各人ごとにバラツキは生じると思うが、『100歳だから伝えたい・・・』という塩谷先生の言葉である。何らかの変化が起きるに違いはない。
ぜひ、“完了形”の断言を試してもらいたいと思う。念のために塩谷先生の次の言葉を付け加えておく。
『大切なのは「心の墨塗り」だ。これは強く念ずることである』。
(H22.8.9)