「物事が上手くいっていないとすれば、それはすべて“関係性”の拙さに原因があるのです」(経営人間学講座)。この言葉にハッとさせられる・・・・・。


 意見の衝突、仕事の遅延、コミュニケーションの拙さ、慢性的な残業、お客様からのクレーム、目標の未達成、業績の悪化、体調不良、ストレス等々・・・・・。


 もちろん、現象的に捉えると様々な原因が考えられる。また、「どうも“関係性”が良くないなぁ・・・・・」と漠然とそう考えなくもないが、「すべては“関係性”の拙さから問題は引き起こされているのだ」という、本質的なところで断じきれていなかったと考える。確かに、あらゆるものは“関係性”によって生成され、存在しているのだから、その状態が良くも悪くも、すべて“関係性”に起因しているのは道理である。


 そこに気づいて場の状況をみると、出るわ、出るわ“関係性”に起因する問題のあぶり出し。今回の全体会議でもこんな発言があった。


 内部の業務分担制のなかで、一社の顧客に3人が関わってサービスの提供をしているのであるが、「Aさんも、Bさんもそれぞれの業務おいて、お客様に凄く喜ばれる仕事をしているのに、二人の“関係性”が拙いため、その成果が思ったほど出ていないし、評価されていない。もったいないですよ・・・・・」という、Cからの意見。


 スペシャリスト特有の自己完結型の仕事のスタイルに慣れてしまったベテランの悲劇である。知識・経験も豊富、もちろんお客様に対する貢献意欲も十分すぎるほどある二人であるが、何かを忘れている。


 業務分担化された仕事は、「それに関わる人間各々の貢献をお互いが活かし合ってはじめて成果に結びつくのだ」という事実をしっかりと受け止める必要がある。


 だから、貢献は「・・・してあげたのだ!」と考えているとすれば、それは慢心。そうではなくて、「私の貢献を引き取ってくれて、ぜひ成果に結びつけて欲しい!」というお願い、謙虚さがあってはじめて成果に結びつき、達成感を味あうことができるのだ。その自覚を忘れてはならない。


 元来、組織の中で仕事をするということは、自分以外の誰かに貢献することに他ならない。ましてや「自己完結型」の仕事のスタイルを捨て、顧客に軸足をおいた「ネットワーク型」で大きな成果を出していこうと決めた以上は、いまさら後戻りはできないし、する気もない。


 私たちは、つねに貢献の連鎖をイメージして仕事をしなければならない。つまり、仕事は“関係性”を無視しては生産的になり得ないのである。仮に、何かうまくいっていないと状況があるとすれば、すべて“関係性”に着目したいと考える

(H22.8.2)