ピーター・F・ドラッカーが、“時間”について次のように述べている。
「“時間”の供給は硬直的である。需要があっても供給は増えない。・・・・・成果をあげる人たちは、“時間”が最大の制約であることを知っている。」
まさに、光陰矢のごとしで、しかも過ぎ去った“時間”は決して戻らない。こうして“時間”は、つねに不足するという。したがって、“時間”をマネジメントすることは成果をあげるための基礎をなすものであり、そのためには、先ず、自分の“時間”がどこに消えているのかを知らなければならないという。
自分の“時間”が、どこに消えているのか。試しにやってもらいたいことがある。先月一ヶ月をどのように過ごしたか。大きく業務区分をし、記憶に頼って“時間”配分をしてみる。次に記録に基づいて書き出し、比較をしてみるのだ。うちの事務所では日報による“時間”管理をけっこう徹底してやっているほうだと自負していたのだが、試してみると、それらの比較にかなりの隔たりがあったのには驚かされた。
その原因は、ドラッカーの指摘の通りだ。隔たりが多い者ほど、1ヶ月間のなすべき業務の計画にのみ気を取られ、“時間”の使い方を計画するという意識が欠如していたようだ。
成果をあげるための基礎となる、時間をマネジメントするポイントは、3つある。
(1) まず、時間を何に使っているかを記録し、時間の使い方を診断する。
(2) 行う必要のない仕事を見つけて捨てる。
(3) 空いた時間をまとめて、重要なことに集中する。
「“時間”の使い方を計画する」という発想は、実に妙案である。
なすべき業務からスタートすると、間違いなく、緊急性の高い、目先の業務への対応へ追われるような計画になってしまい、不足を残業で補うことになろう。事実、そのようなものが多い。
しかし、“時間”からスタートすると、確かに視点が変わる。“時間”という大切な経営資源を何に使うべきかという考えが浮んでくる。先ず、今なすべき重要なことは何か。つまり、緊急性よりも重要性へと視点が変わるから不思議だ。
重要性の領域の“時間”を、先ず確保する。これは、戦略的な思考と行動を求められる立場にある者にとっては、“時間”マネジメントの鉄則である。そうでないと、日常業務との戦いに敗れ、自己革新は夢のまた夢である。
仕事の成果をあげ、一流になりたいと考えているあなたへ・・・・・。ドラッカー曰く「汝自身の“時間”を知れ」と。
(H21.7.6)