“将軍の日”は、うちの事務所で開催している「中期5ヵ年計画策定セミナー」の呼称である。平成8年にスタートして以来、毎月2回実施し続けており、延べ1500名を超える経営者の方々に参加して頂いているロングランの企画ものである。
参加される方の動機は、様々あると思うが、社長ご自身に自社の未来についてじっくりと考えて頂くための一日である。自社のあるべき姿、それを具現化するために何を為すべきかなど、経営のシナリオを描いてもらうのである。
経営計画の策定に消極的な経営者がいる。「所詮、絵に描いた餅・・・・・。経営計画をつくったとして、うちの状態は良くなるのか?何か変わるのか?」と懐疑的な意見が返ってくることがある。
しかし、“将軍の日”の常連さんがけっこういる。計画の内容に得心がいくまで何度も何度も足を運ばれる経営者だ。経営計画の効用や価値が分かっておられる方だ。その人たちのこだわりの理由を聞いてみよう。
① 未来への条件付けが可能になる(意思の経営)
経営とは未来からの逆算。あるべき姿を具現化するために、持てる経営資源(原因)を環境にどのように条件付けするか。それによって、成果(結果)は確実に動いていく。大切な経営資源を環境や他人から条件付けられていないだろうか。
② リスクの性質が変わる(リスクはチャンス)
経営計画は、リスクの性質を変える効果がある。受動リスクが能動リスクへ変わるのだ。リスクをピンチと考えるのと、チャンスだと考えるのでは、対応は全然違う。経営計画を持っている経営者は、リスクをチャンス(価値)だと認識している。
③ 意思決定の必然性が高まる(再現性の経営)
経営とは自らの意思決定の必然性を高めるところにある。棚から牡丹餅的な利益ほど危ないものはない。なぜならば、再現性がないからだ。経営計画とは、仮説思考の実践である。「仮説~実践~検証」をくり返すことによって、仮説が真説にかわる瞬間がある。そのとき、自らの勝利の方程式あるいは勝ちパターンがみえてくる。
21世紀という時代は、何が起っても不思議でない時代である。変化を自分の意思で起こす覚悟がないと、変化に翻弄されてしまう。リスク(=変化)は、避けようと思っても避けられない。自らがつくるものだ(能動リスク)。変化が著しい環境の中で、いかに再現性を高めることができるかが、経営の戦いである。
乱世とは、優勝劣敗が強く働く時代である。実力があるものが生き残っていく時代だ。実力とは、物事を深く考える力のことだ。ぜひ、“将軍の日”を!
(H21.6.22)