創業以来ずっと、うちの事務所では目標管理の一環として“日報”を書いてもらっている。


 最初はA4サイズの大学ノートを使って、一日の業務内容について時間を追って記入し、そして、その日一日の気づきや報告事項を書くようにしていた。現在は、M社の業務日報システムを活用しているが、その開発のときにうちのフォームを取り入れてもらったので内容的には変わらないが、業務ごとの時間やコストの集計ができ、さらに社内ランでのオープン化が進むなど、その効果は数段増したように思える。


 “日報”での報告をルール化している以上、当然ながらトップである私は全員の“日報”に目を通す責任があるわけで、人数も増えて一日分でもけっこう大変だが、出張が続いた週などは一日がかりの仕事だ。しかし、“日報”を続けて読んでいると、一人ひとりの仕事振りや現況が見えてくるので有難い。


 “日報”を書いてもらっている目的は、一つにその日一日の「締め」をしっかりやってもらうことにある。“日報”を書きながら、その日一日の行動や思考を思い起こし、心の整理をする。やり残しや気になることなどがあっても、その日一日の心のけじめだけはつけるようにしたい。


 もう一つは、予実管理である。計画と行動の差をしっかりとチェックし、明日へつなぐためだ。予定していたにも関わらず、なぜやれなかったのか、それによってどのような不都合が生じたのか、どうすれば修復可能なのか等々を考える。そして、それらを明日以降の行動と思考にフィードバックするのだ。


 冒頭に、“日報”は目標管理の一環であると述べたが、その趣旨からいくと、さらにやってもらいたいことがある。目標管理の前提には、組織の理念・目的がある。つまり、個人としての自己をしっかりと反省すると同時に組織人としての自己を認識するためにも、“日報”を書くときに、組織の原点である理念・目的に立ち返っての反省もやってもらいたいと思う。そうすることによって、より深みのある反省ができて、主体的な自己の形成に拍車がかかるのではないだろうか。


 以上のような“日報”の目的や効用を考えると、一日の仕事の終わりに、日報を書くための時間をしっかりと確保することの大切さを改めて感じるであろう。自らが描き求めるあるべき姿と、今日一日の実際の思考や行動との差を不用意に見逃してはならない。真摯に向き合い、それに気づかせてもらう時間を有難いと思えるようになれば成長の兆しだと思う。


 “日報”は、自己を反省し、軌道修正する機会を与えてくれる。

(H21.6.8)