去る31819日の午前中(現地時間)にバルセロナの「W・バルセロナホテル」の会場で開催された“M&A国際会議”の内容の一部について紹介をしたい。


 1日目のトップバッターで日本M&Aセンター分林会長が登壇。自らが率いる会社の現状について説明があったが、じつに凄い。200610月にマザーズに上場し、その後14ヶ月で東証一部上場を果たしたのは、すでに有名な話である。以来、2桁成長を続け、年商は40億円に達し、その半分近くが利益として残るという。当然、自己資本比率も90%近くと高く、キャッシュフローも潤沢だ。


 次に登壇した同社の三宅社長曰く、『拡大戦略をとり、上場を目指すきっかけになったのは、長崎の「将軍の日」への参加だった』という。「将軍の日」とは、一日かけて中期5カ年計画を策定するセミナーのことである。トップ2人がひざを突き合わせ、一日じっくりと考え、語り合った結果、自社に対する将来イメージが見事に合致した瞬間だったのであろう。


 分林会長は、「今後5年間で、年商100億、利益50億の企業をつくりたい」という。私が思うに、企業の成長性の大半を決めるのはトップの持つイメージ力ではないかと思う。だから、経営計画が必要なのである。5年後を大いに期待したい。


 その他、「投資育成制度」や「ユーロ圏及びスペイン経済の現状」などの講演もあったが、割愛する。


 さて2日目のメインは、会計人中心のパネルディスカッション。「中小企業の生き残り戦略とM&A~大不況、構造変化に直面する関与先に会計事務所はどのようなアドバイスをすべきか」というテーマだったが、中小企業のM&Aも単純な事業承継型M&Aから生き残り戦略としてのM&Aに転換しつつあるとして、業界や事業再編、企業再生などの実践的な手法とM&Aの事例などが議論された。


 M&Aを絡め様々な経営手法が紹介されたが、要は「抜本革新(=イノベーション)を為し得ない企業に明日はない!」ということだ。つまり、主体的に変化を創出できる組織へ生まれ変わることを経営の最優先課題とすべきだと考える。


 そのお手伝いを会計事務所が担うためには、パネラーの松井正勝先生曰く、「会計事務所は、日常的、経常的に経営支援業務を展開できるようにならなければならない」。全く同感である。


 その点、経営計画をベースにした未来会計は、経営者の日常的な意思決定をサポートするのに極めて有効である。会計事務所は、この事業領域をしっかりと耕し、もっと真剣に事業化すべきだと考える。

(H22.4.5)