ある事業化セミナーでの質問であるが、「やはり、新たな事業を手掛けようとすると、“残業”はやむ得ないことなのでしょうか?」。
「新しい仕事の最大の敵は、日常業務である。だから、今ある仕事が忙しいからといって、できなかったというのは理由にならない」という話を、セミナーの中でしたからであろう。「それは、時間管理の問題・・・。安易に、日常業務に逃げ込んではならない!」と決め台詞を返したかったのであるが、先だっての、うちの幹部会や全体会議での“残業”問題が頭から離れていなかったのだろう、「うちもそうです。今の仕事がなくなるわけではないので、できないのであれば、人の倍働く覚悟も必要でしょうね・・・・・」といってしまって、何か釈然としない気持ちである。本来、「日常業務との戦いは、仕事の優先順位の付け方の問題であって、時間管理を間違ってならない」という話であって、「残業してでも、頑張れ!」という根性論ではない。ましてや、うちの組織の場合、事業化の推進はずいぶん前から取り組んでいるのであって、すでに日常業務の慢性化による残業の問題であって、恥ずかしき、名折れの問題なのだ。その意味において、深刻だ。
「苦しいときのドラッカー頼み」ではないが、経営の神様はどんな解決の方法を授けてくれるのであろうか。
先ずは、「時間が最大の制約であることを知り、意識する」。つまり、付き合い“残業”や惰性で仕事をすることをやめるべきだ。その分、読書などの自習に励む。
それから、「時間の使い方を計画する」。仕事の計画よりも、先ずは時間をマネジメントすることから始める。つまり、時間を記録し、整理し、まとめるという3段階のプロセスが必要である。
そして、「時間の使い方を検証し、仕事を整理する」。行う必要がない仕事を見つけて捨てる。つまり、成果に焦点を当て、非生産的な仕事を廃棄する。廃棄こそ、時間確保の唯一の手段である。
さらに、「仕事を任せる」。重要なことを行う唯一の方法は、人にできることは人に任せることである。但し、それによって、人の時間を無駄にしていないかを考える必要がある。つまり、常に人の時間も気にすることだ。他にも、組織のスリム化及び体質の改善、情報のシステム化などにより、組織としての時間の節約も考える必要があろう。以上が、ドラッカーからの助言。他にもいろいろな工夫があるだろう。
時間管理は、ドラッカーが「成果をあげるために必要な習慣」として最も重要視しているテーマである。“残業”とは、真摯に向き合いたいと考える。
(H22.4.19)