「“戦略思考”の欠如!」 一瞬に、そう思った。
定例幹部会で「下半期・売上目標達成(部門別)」の取り組み方についての発表を聞いたときのことだ。
売上分類別の数値目標、現状における見込み客ごとの売上額と紹介ルートなど具体的に並べてあるのだが・・・・・。どうも、しっくりしない。どこか不安で、危なっかしい感じがしてならないのだ。
恐らく、具体的に名が挙がっている見込み客は、上半期の営業活動から得た情報のかき集めであろう。中には、すでに接触を試みたものの、何らかの事情で契約まで至らなかった先もありそうだ。さらに、「それらがすべて上手くいったとしても(先ず、百発百中などあり得ない!と思うが・・・)、目標数値に到達しない。その差は、どうやって埋めるのであろう?」 そんな疑問が頭をかすむのである。
「走っているうちに、新たな情報が舞い込んでくるだろう」と、棚から牡丹餅を期待しているようでは先見経営とはいえない。思考がワンパターンになって、発想が貧相になってきたときが、一歩踏み込むチャンスなのだ。
そんな時は、少し立ち止まって、「何のために?なぜ?」と本質的なところから問い直して、取るべき進路あるいは戦場を考えてみるべきだ。怖いのは、過去に捉われた惰性的な判断だ。
“戦略思考”とは、「長い目で、多面的に、根本を見て」考える思考だ。目的思考であり、未来思考であり、全体思考であり、関係性思考であることを忘れてならない。
過去から積み上げようとしてはならない。むしろ一旦、捨てるべきだ。そして、未来からの逆算からスタートしてみることだ。そうすると、現状では見えないものがどんどん見えてくるはずだ。「見えない部分が見えるようになる」 これが、“戦略思考”なのだ。
“戦略思考”と戦術思考は、よく対比されるが、戦術思考は「目先で、一面的で、枝葉末節的」な考え方に陥りやすいのが特徴だ。しかし、見える部分への対処法としては効果的であるから、本来、両者は相互依存関係にあるといえよう。
気をつけるべきは、戦術思考的な発想は、目先の成果を挙げるのに効果があったとしても未来へいけばいくほど、通用しなくなるものなのだ。逆に、“戦略思考”は、未来へいくほどに効き目が大きくなるといえよう。
その意味において、“戦略思考”は、組織の持続的成長に欠くことができない思考であり、競争優位にある組織には必ず、実行可能な、優れた“戦略”がある。つねに、発想の転換が求められている時代である。
(H22.4.26)