夜………。
仕事でクタクタになり、ベッドに潜り込む。
独りの部屋……。
疲れてるのに、やけに目が冴えてしまって、眠れない。
暗闇の中で、CDプレーヤーの明かりだけが、うっすらと部屋を照らしている。プレーヤーからは、トム・ウェイツのBLUESが流れている……。
俺は2年間《音楽から離れる》と、決めた。病気の克服と、新たなスタートをするために。
だから《活動休止》じゃなく《準備期間》と言う《目的観》を持って。
でも俺は、俺の心の奥底にあるものにも気付いてた。
それは………。
《もう、疲れたな》
と言う気持ち……。
本気で、病気を治そうと思ったのは、嘘じゃない。でも、心のどこかにいつも
《もう、疲れたな…。》
と言う気持ちもあったことは、否めない。
すべてを失って、それでも《夢を追いかけて生きる》っていうのは、TVのドラマではよくある話。でも、現実に《生きる》ということは、そんなに《カッコいい》もんじゃない。人間という生き物は、いや、《俺という生き物》は、そんなにカッコいいもんじゃない。
《一途に突っ走れる》ほど、若くはないし、精神力もない。
《一途に》というよりも、寧ろ《挫折・諦めに抵抗する》のが精一杯……。映画やTVドラマの主人公なら、これを《きっかけ》に、再びやり始めるんだろうけど。
俺の人生のシナリオは、まったく《先行き不透明》な状態。手探りで、必死にもがいてる状態……。
もしも俺が《車》だったら、エンジンはもう《壊れかけ》だ。
でも、そんなことは誰にも言えず、《傾いた夢》を精一杯、まるで、自分に言い聞かせるように、周囲に話す……。
唄いたい………。
でも、もう自信も薄れ、そっと忘れようとする俺もいる……。
暗闇の中で聴こえる、トム・ウェイツの唄声が、胸に痛かった。
CDを、アルバート・キングに替えた。
流れるアルバートのBLUESと、眠れないので、飲みかけた軽い酒に《あの頃》を漂わせて、《壊れかけたエンジン》をもう一度、動かしたがる俺がいた。
《おいら今まで》 by. SONHOUSE
本音は《唄いたい》んだけどな……。