度重なる悲劇………。
どうして、こんなにも続くのか……。
しかし、そんな考えは、亡くなった人達への《冒涜》だと思った。ただ、耐えるしかない、悲しみも苦しみも。

しんどくても、レギュラーのLIVEだけは、やり続けなきゃな……。それが《生きがい》のはずだろ?  それが《夢》だったんだろ?  休んじゃいけない。やり続けなきゃ……。

心配する美雪。でも、行かなきゃ。メンバーが待ってる。少ないけど、楽しみにしてくれてる、お客さんがいるから……。

LIVEの終了直後、強烈な吐き気に襲われた。外へ出て、吐いた。
俺は徐々に、身体が壊れていってるようだ。
でも、ここで終われない。《約束》だから。
俺が、俺自身と交わした《約束》だから。俺が、美雪と交わした《約束》だから……。

メンバーはもう、俺が《御荷物》のようだ。だから、打ち上げは少しだけ参加して、すぐに帰宅の道へ。

マネージャーの亜美も、妙に心配する。

『法太さん、姉さんから色々と聞いてますけど、病気、大丈夫なんですか?  メンバーは、気にしてないみたいですけど……。』

『気にしてもらっても、どうなるものでもないしなぁ。』

『でも、病気を理解してもらうのも、大事なんじゃないんですか?』

『…………。』

帰宅して、また吐いた。
心配する美雪を制止して、横になった。

翌朝、車でぶらっと出かけ、近くの丘に車を停めた。外は、小雨が降っていた。
曲が浮かんできたので、いつも持ち歩いてるノートに、書き始めた。

《浮かれた夢が覚めた朝は  いつも何かが欠けてるのさ  小雨のせいでもなかろうが  まるで抜け殻みたいさ  》

ブリキの兵隊……。こんな状態でも、《曲》は生まれる。いや、こんな状態だからこそ、生まれたのかもしれない。

心配する美雪。それに応えてやれない俺。
そんな俺の姿こそ、錆びついた《ブリキの兵隊》そのものだった。


身も心も、ボロボロになりかけていた。