屍のような日々が、1ヶ月ぐらい過ぎただろうか……。
ある人の紹介で、大工の職人と会った。

それまでも、様々な仕事をやった経験はあるものの、必ずと言っていいほど、喧嘩をしてクビ………。
自分で言うのもおこがましい話なんだが、俺は、仕事を覚えるのが早いらしく、そこから先を追求することもなく、飽きてしまい、その態度を指摘されて喧嘩、そしてクビ……。そんな俺だから、一緒に酒を飲んでるこの大工さんに対しても、また同じことになるんじゃないか?と、なんとなく距離を置いてしまう。

そんな俺を、ジーッと見つめながら、紙に地図を書き

『ここが、今やってる現場や。明日、作業着で、現場に来い。』

そう言い残して、職人さんは帰って行った。その後、俺は1人で、悶々と考えたが、とりあえずは行ってみようと思った。
精神的には、峠を越えたのか、落ち着いてきたが、このまま何もしないと、またダメになるような気がした。バンドはやりたいが、今は、そんなこと言ってられるような状態じゃない。

翌朝起きて、なけなしの金でサンドウィッチを買い、食べながら現場へ。
現場には、数人の職人さんがいて、黙々と仕事をしてる。誰かが話すと、それに釣られて誰かが話す。そして再び、黙々と仕事をする。

昨夜の職人さんが、俺に金槌と釘袋を手渡し、有無を言わせぬ態度で、仕事を手伝わされた。
あっという間に、夕方になっていた。めちゃくちゃハードで、とても疲れたんだけど、なんかこう、気持ちが良いというか、とにかく、清々しい感じだった。

『お前、筋がええな。明日も来いよ。』

酒を飲みながら、職人さんに言われた。
俺自身も、いつもと違う、あれこれ考える余裕もなく、過ぎた1日だった。

『悪くないな………。』

なんとなく、言ってみた。

少しだけ笑ったのを、今でも覚えてる。

大工と言うことで、カーペンターズ(笑)