【反社会勢力組織】に所属して、1年が過ぎた頃だった。
外車を乗り回し、街を、肩で風を切って歩く。
みんな、俺を避けて行く。
財布には常に、20~30万円ぐらいは持っていた。それが、箔をつける為の条件みたいなものだったし、警察にビビるようじゃ、一人前のヤクザじゃないと、信じきってた。

ある日、検問中の警察に、車を止められた。相手が、俺だと気付いた警察官は、やれ車から下りろだの、トランクを開けろだのと、注文をつけてきた。カッとなった俺は、警官に殴りかかった。周囲の警官達、一緒に車に乗ってた仲間達に止められ、なんとかその場はおさまった。

しかし、イライラしてた俺は、その警官に
『お前、当直はいつや?』
と聞いた。
『●日や❗それがどうしたんや❗』
と、その警官。また、カッとなった俺は、
『お前、絶対にやったるからな❗』
と、吐き捨てた。
『お前、バカか?やれるもんなら、やってみろ❗』
と、その警官。
『忘れんなよ❗』
と、俺が言い残して、その場は終わった。

●月●日、深夜……。
あの日の警官が、当直中であることを確認した俺は、仕返しを決行した。
警察署に、火炎瓶を2本投げ、燃やした。

短気な性格が、災いしたのか…。
投げやりな生き方が、災いしたのか…。
暴力的なやり方が、災いしたのか…。
とにかく、やってしまった。

『お前は、絶対にやったるからな❗』
と、俺は言ってしまってるから、俺の犯行だということは、すぐに発覚し、ほどなく俺は逮捕された。

もう、何度目だろう?
何度、鑑別所や少年院に入ったろう……?

4週間後、鑑別所から裁判所へ。
裁判所で、トイレに行きたくなり、手錠をかけられたまま、トイレへ。
途中、両親の姿を見た。何故か、慌てて隠れようとした。でも、手錠がかけてあるから、母親と目が合ってしまった。

やがて、審判。
親父は、
『今度こそ、更正させる。真面目にさせる。』
と、珍しく裁判長に訴えていた。
こんなことは、初めてだ。あの、親父が……。
今まで俺の、裁判にすら、来たことないのに……。

俺は、今回の俺が起こした事件が、いかに重大な事件だったか、初めて気付いた。そう、俺はもう、何十年も帰れないかもしれないほどの、大きな事件を起こしてた。
TVのワイドショーでは、数日間、この事件を取り上げたらしい。それほど【反社会的】で【凶悪な事件】だった。

判決は………。【特別少年院送致】……。
理由は、【本人には、まだまだ更正の意欲は見られないが、まだ若く、更正の機会はある。殺人罪にもとれる犯行ではあるが、被害は建物だけである。】と言うことだった。

再び俺は、少年院に送致されたが、どうでもよかった。
何故なら所詮、俺の人生には【夢や希望】なんてものはないと思っていたし、今後の俺も、同じような生き方しかできないと、思っていたからだ。

ただ、判決の後に涙を流していた、両親の顔だけが、胸に焼き付いていた。

本当に、本当に【親不孝】な人間だった。

第二章、完。