彼はDVを治すため

DV加害者プログラムに参加しようと
東京に行った。
 
今、空港に着いた。
今、ホテルに着いた。
 
と細かく連絡を入れて来た。
1人旅で不安のようだった。
こんな彼がDVをするときは別人
顔つきも変わる
1つでも収穫がある事を祈った。
 
DV加害者プログラムの予約の時間が近づくに連れて
私もドキドキしていた。
どんな事をするのか
どんな人がいるのかもわからないけど
彼を更生してくれると
信じるしかなかった。
 
いよいよ、終わったと彼からの電話
声は穏やかだった。
「俺がバカだった。ごめん。詳しくは帰ってから話す」
と言って、彼は帰路についた。
 
その日の夜、彼は帰って来た。
東京土産もしっかり買って来て
穏やかな表情で帰宅した。
 
私「どうだったの?」
彼が荷物も置くのも待たずに聞いた。
 
彼「すごかった。」
 
私「何が?」
 
彼「紫の髪の色のおばさん」
 
私「え?どういうこと?」
 
彼の話しでは、どうやら、そこの代表をしているのはおばさんで、髪の色が紫だったようだ。
そのおばさんのお話しを聞いて反省したという内容だった。
 
要はその人にしっかりお説教を受けて来て
自分のして来た事がわかった。
と反省していた。
 
その代表が彼に言ったのは
 
こんな飛行機代とホテル代、カウンセリング代までかけて、あなたは何をやってるの。
そんなに想ってくれる奥さんを大事にしないでどうするの。
可愛い娘さんもいるのでしょう。
あなたは家族を幸せにしたいのでしょう。
こんな所まで来れるなら、もっと家で頑張りなさい。
困ったらいつでも相談にのるから。
 
という内容だった。
お金儲けのために自分を通わせようとする感じもなく
しっかりと叱ってくれた紫の髪のおばさんに
心を動かされたようだった。
 
私は、DV加害者プログラムに通わず、一回で終わった事に少し不安もあったが
今までにない彼の表情や言葉に
変わるかもしれないと
少し希望が持てた。
 
つづく
 
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