彼はDV加害者プログラムに参加してから

1年くらい落ち着いていた。
こんなに落ち着いている期間が長いのは初めてで、行って良かったと思った。
 
そんな時、マイホームを建てる事になった。
たくさんのモデルハウスを周り
建ててもらう建設会社も決めた。
いい土地も見つけた。
間取りなどもだいたい決まった。
 
土地の交渉もうまくいって、建設会社に
いよいよ明日「買います」
と連絡をしようと決めた夜。
 
私の父からの電話が鳴った。
 
‘’実家を二世帯にして一緒に住まないか’’
という内容だった。
 
子供達3人が結婚して家を出て
夫婦2人には大きすぎる。
それなら、建て替えて2世帯にしたらどうか。
という提案だった。
 
夢のマイホーム直前まできて
この提案に、正直私は
‘’せっかくの夢が叶わなくなる’’
と動揺した。
 
そして、何より他人にすぐイラつく彼が
私の両親と住むなんてOKするとは思えなかった。
 
でも一応彼に話してみると意外な返事が来た。
「俺は別にいいよ」
 
え、いいの!?
ビックリした。
 
「一緒に住む事になるってどういう事かわかってる?玄関は一緒だよ。
私の両親だよ?気を使うことも増えるよ。」
と私は何度も何度も色々と聞いたけど
彼はいいと言う。
 
マイホームは私の夢だった。
高校生の時にはすでに理想の家の間取りまで考えて書いていた。
家の雑誌もよく買っていたし
オープンハウスも買う予定がない頃からよく見に行っていた。
 
その夢が叶おうとしている今
両親と彼は2世帯に乗り気。
 
両親は二世帯にした方が喜ぶだろう。
彼も二世帯の方がお金もかからなくていいと言う。
ここでマイホームを建てたいと押すのは私のワガママな気がして
二世帯に同意する事にした。
 
あの時、あのタイミングで父からの電話によって叶わなかったマイホームの夢。
 
あの時の私はかなり落胆していた。
でも、今思うとこの決断で良かったのかもしれない。
 
つづく
 
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