優しい勘違い | コロポックルとスコ

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小さな人と大きな猫の暮らし

今はすっかりなくなったが
たびが来た当初は
まだ赤ちゃんだったのもあり
甘噛みの加減がわからずについ強くなったり
何でもかんでも爪を立てていた。

まず多かったのが
人間の手をおもちゃと勘違いし
指が動くたびに
遠くから獲物を見つけた体(てい)で
飛びかかってきていた。

これは
人間側にも問題点あり
遊び道具の代わりに
手遊びをしたりしたから
それで猫が勘違いして覚えてしまう
ということらしい。

それを知ってからは
一切の手遊びはやめ
噛まれたり爪を立てられる度に
「痛い」
とわざと声を出し
もうそれ以上遊ぶのをやめたりして
「痛いことをすると遊んでもらえない」
そう覚えてもらった。

次に多かったのは
生足の足首に噛み付いてくること。

七分丈のパンツをはいたりして
生足の足首が出ていると、
それと見たたびの目がキラッと光り
「待ってました」と言わんばかりに噛み付いてくる。

それが結構痛くてイヤで
それをやられたときも
「痛い」
と声を出して
それ以上遊ばなかったり
ケージに入れたりして覚えてもらった。

どれもこれも
「遊んで」「かまって」の表現として
噛んだり爪を立ててくるのだが、
人間にとっては痛いことにかわりないので
「人間に痛いことをしちゃダメだ」
そう教えてきた。

我が家へ来て
2ヶ月が経過しようとしている今
たびはきちんと覚えてくれて
もう噛んだり爪を立てたりもしなくなった。

「たびちゃんは子猫のわりには大人しいねぇ~」
と人から言われると
少し嬉しかったり誇らしかったり。

「噛むと痛い」
そう覚えたたびは
噛むかわりに舐めるようになった。

その結果
『噛み用ぬいぐるみ』として与えたワンちゃんを
舐めるようになった。

「いやそれは噛んでいいんだけど」
と言いたいところだが
区別まで教えるのは難しい。

優しいたびの勘違い。
「今まで噛んでいたものは舐めるようにしよう」
ぬいぐるみのワンちゃんにも優しい。

たびには
噛んでいいものとダメなものの
区別なんてわからないのだ。


0922_1
タオルケットにくるまるたび①

0922_2
タオルケットにくるまるたび②