リアルタイムでも見ていたけど、全話通して見たのはこれが初めて。

 

原作は楳図かずおの漫画なので怖いイメージがあったんだけど、全体的に常盤貴子と窪塚洋介演じる主演二人のラブストーリーを軸にしていて残酷な描写は抑えめで、それでいて飛ばされた主人公たちのサバイバルや残された家族や友人恋人たちのドラマに重点が置かれていました。

 

大森美香の脚本がすごく上手くてサバイバル作品ではいの一番に死んでしまうような自分勝手な人物が最後まで生き残ったり、平穏な日常では教室で空気だった生徒が過酷な環境だと意外なバイタリティを発揮して仲間の輪の中に自然と入れたり、学園モノでは虐げられがちなガリ勉タイプの生徒がトラウマを乗り越えて仲間内で頼れる存在にレベルアップしたりと、結構ありがちな展開なのに自然と共感できるようになっていく自分がいました。

 

原作は学校の生徒ごと飛ばされちゃうのをクラス単位に絞っているのも狙いなんでしょうし、最後まで自身の欲望を貫こうとする人間もいるのがリアルというか何というか…。もし原作に忠実に書いたドラマだったらカルト的な人気は出たかもしれないけどここまで人気のあるドラマにはならなかったと断言できるほど、TVerユーザーのお気に入りの人数といいねの数が圧倒的で脚本の力の大きさを実感しました。

 

常盤貴子演じるヒロインの三崎が行動的でしばしばもうひとりの主人公の浅海を助けるシーンが多いのが印象的で体力面を女性、恋愛面が男性主人公が受け持っているのが男性の脚本家では中々ないし、活発なイメージの強い常盤貴子、優男が売りの窪塚洋介に似合っていてこの二人が口論しているだけで何だか見ていて楽しい。

 

山田孝之演じる原作で主役の高松とライバルの山下智久演じる大友も凄く当時の等身大の少年にアレンジされていてそれでも優しさと強さを発揮する場面が多いのが嬉しかった、山Pが不良娘の香里奈や小泉絵美子と一緒にいるシーンが何か既視感あるなと思ったらカバチタレで共演していたのを思い出しておおーと思ったり。

 

全体的にホラー描写は控え目だけれど、部外者による男たちの襲撃の目的が食料と女だったり、徐々に明らかになる異形の怪物の正体など原作のテイストがうかがえる箇所も残してあり、特に最後に彼らが浅海に投げかけたメッセージには背筋が凍りつき脳にガツンと来る衝撃を個人的に受けました。ラストはあえてあんな描写にしたんだろうけど、多くを語りすぎず、視聴者が色々と想像できるもので、ちょっとタイムパラドックス的な要素もあり不思議な感覚になりました。

 

 

また再配信されたらぜひご覧になって私と同じ体験を味わってほしい、そう感じた作品でした。TVerさんに感謝。

 

 

 

しかし飲まず食わずで監禁されてもゾンビの如く蘇る関谷先生の生命力よ。大森さんが一番お気に入りだったのは実はこの人なんかなと思っています。

 

 

 

 

 

 

山下達郎のエンディング曲も( ・∀・)イイ!!