序盤から青木大膳を忙殺してニヤリと微笑んだり、後半からは禿鬘をかぶり入道姿のまま演技を続けたりとかなり二枚目のイメージから離れた里見浩太朗が見られました。山本勘助、高坂昌信との二役なのがかなり驚き。前半を見て、高坂全然でてこないじゃん!いつ出たの?と思っていたら後半に満を持して登場。時代劇ではそっくりさんは定番だけど、実在の人物で兄弟ではない二人を一人二役なのは珍しい。甲陽軍鑑を書いたのは高坂昌信の説もあるのでその繋がりなのか、老け役と若い里見浩太朗の二役を楽しんでもらおうとの趣向なのか。どちらにせよ面白い配役でした。

 

高坂昌信は元は武田信玄の小姓で彼が惚れ込んで浮気の詫び状まで出した男なので、思いっきり劇中でも美丈夫と宣伝していましたが確かに、この高坂昌信はいつもの里見浩太朗の安定の二枚目キャラでした。合成で二人の里見浩太朗が会話をするというシーンもあり、里見浩太朗ファンの自分としてもこれはなかなかの眼福映像。勘助が想い続けた由布姫の子勝頼を支える高坂への魂の引き継ぎシーンにも見えました。

 

シリアスな場面も多いけど、中盤の

戦を抜け出してまで側室(於琴姫)に逢いに行く信玄にたいして

 

(;†Д`)「殿、おなごはほどほどになされませ」

( ・`ω・´)「勘助、そのような口出しは無用じゃ」

(;†Д`)「辞めませぬと某は剃髪して出家いたしますぞ!」

(^Д^)「そのような事をしても無駄じゃワハハ!」

 

 

…色々あって

(゚Д゚)ゴルァ!! ←桃首座 

   (;・∀・) (†Д`)

 

  彡⌒ミ  彡⌒ミ
 (´・ω・) ( †Д`)    ふたりとも坊主頭に… 

 

 

のようなコミカルなシーンもw (セリフは変えてあります)

 

 

醜い顔と罵られても由布姫に尽くす勘助の健気さよ…。愛した女性が主君の子を生み、その

将来を託されるというジレンマ。里見浩太朗の実子の佐野圭亮が勝頼ではなく正室の三条夫人の子・義信役というのも捻ってあるなと感じました。

ラストに勘助に引導を渡す鬼小島弥太郎役の山城新伍が格好いい。「そちの白髪首などいらぬわ!長生きせい!」と介錯を一蹴。いやもう致命傷なんですが…と思ってはいけない。若い舘ひろし(信玄)と荒削りな高嶋政宏(謙信)の顔がとにかく怖い。どちらも信長顔。二人に比べて今作で演じた竹内力が少年に見え、本当に新興の若き当主に見えるのが面白い。さりげなく力兄貴が敦盛を詠っているのも芸細でした。

 

 

ラストは大河の風林火山と違い、誰にも看取られず野垂れ死にする場面で終わり。里見浩太朗って時代劇では倒されない主人公のイメージがあるけど、「樅ノ木は残った」では壮絶な最期を遂げたり、最近では奇しくも同じ勘助を演じた内野聖陽に劇中劇で斬られる役を引き受けてラストで討たれるなど、役柄を問わないこの人の時代劇に賭ける熱意の凄さを実感しました。そして主題歌の「夢を継ぐ人」がまた熱い!笑えて目頭が熱くなる作品でした。