男子学生達のホワイトデー | のんびりな日常

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マイペースな不定期ブログ

~プレゼント~

今日はホワイトデー。

だから今日はお返しも
兼ねて真子をデートに
誘った。

もちろん.真子に渡す
プレゼントを持って。

ただどう渡すかか悩む。

まぁ.その事はあとで
考えよう。

「ユウちゃん!!」

そんな事を考えていたら
前方から彼女が
嬉しそうに手を振って
こっちに向かってきた。

「真子こっちだ」

真子は俺の元に来て
パンっと両手を合わせた。
「ゴメン!!待った?」

「ううん大丈夫.俺も
さっき来たところだから」
「そっか.よかったぁ…」
真子は安堵の笑みを
浮かべる本当に彼女は
笑顔が似合う女の子だな。
「じゃあ.早速映画館に
レッツゴー!!」

そう言って真子は俺の手を握った。

「はいはい.で.真子が
見たい映画ってどんなの
なんだ?」

俺達はいつも行っている
映画館に向かう為に
ゆっくり歩いた。

「あのね…私が
見たいのはね…」

彼女が見たかった映画とは…。

「なぁ…見たかった映画って…」

「うん!!この映画だよ」

真子が見たがっていた
映画はなんと

子供向けのアニメの映画だった。

俺はチケット売り場の前で一瞬.思考が停止した。


「すごくこの映画
見たかったんだ本当は
一人で見るつもり
だったんだけど
ユウちゃんが好きな映画にしてもいいって言ったから」

一人で見るつもりだったのか?この映画を…。

「私.このアニメ大好きなんだ」

そういえば…真子の部屋
っていくつかこのアニメのグッズあったな…。

他のアニメグッズも
あったけど。

そう.俺の彼女はすごく
アニメとゲームが
大好きなんだよな。

俺達は映画のチケットを
買った後

映画館内にある
フードスペースで
何かを食べ物と飲み物を
買う事にした。

「ユウちゃん何食べる?」
「うーん…そうだなぁ…
俺はポップコーンと
フライドポテトとコーラにするか」

「私もポップコーン
食べたいなキャラメル味」
「俺は塩にするかな」

「じゃあ.俺は味噌!!」

その時.明らかに
なさそうなポップコーンの味を叫ぶ馬鹿が…。

「ラーメンか…っ!!
ってか…なんでお前が
いるんだ!?」

俺は馬鹿な事を言った
相手を睨む。

そこにいたのは俺と
同じ顔をした男がだった。
「あ.朝日お久し振り~」
「よっ真子久しぶり~!!
元気だったか?」

「うん!!元気!!元気!!
朝日は?」

「俺は元気だぜいつも
ユウに殴れてるけど」

そいつはヘラヘラと
笑みを浮かべ真子に話した。

「なぁ質問に答えろ…
何故?お前がいる」

こいつの名前は笹川朝日
俺の双子の弟だ。

「そんなの決まってるじゃねぇか映画を
観にきたんだよダチと」

朝日はヒョイヒョイと
後ろにいる二人組をさした。

「あ~!!葉月ちゃんと
夏季ちゃんだ」

そこにいたのは
幼馴染みの鳳蘭姉妹の
二人だった。

「あ.真子ちゃん
おはようございます」

二人もこっちにやってきた。

そして姉の夏季が声を
かけてきた。

「悪かったな折角のデートを邪魔する事をして」

姉の夏季が俺に謝ってきた。

「いや.いい夏季は関係ないん事だしさ。それにしても珍しいな夏季が映画を
観にくるなんて
いつもはレンタルして
見ているのにな」

俺と夏季は同じ双子で
先に生まれたせいか
小さい頃から仲が良い
まぁ…夏季の性格が
男みたいだから話しやすいのもあるんだけどな。

「あぁいつもはわざわざ
映画館に行くのが面倒
だからそうしてるんだが
今回はどうしても見たい
映画があってな一人で
見に行くつもり
だったんだが気付いたら…あの二人と一緒にこの映画を見るはめになった」

夏季ははぁ…と溜息を
つき.ガクンと肩を落としながら俺に話してくれた。
「なんか…スマンきっと
朝日が無理矢理
誘ったんだろ?」

俺は彼女に対してすごく
罪悪感を抱いた。

「いや.いいんだこの
映画を見終わったら
次の上映時間でも見るよ。あの二人この映画を
見終わったらそれぞれ
別の用事があるらしいしな」

「そうか.あ.そろそろ
映画始まるな…」

「そうだな葉月.朝日
そろそろ行くぞ」

夏季は真子と楽しそうに
話している朝日と葉月を
呼んだ。

ってか真子の奴いつもそうだけど俺が夏季と
話していても
嫌な顔しないな…
いや.その点は
助かっているんだけど
なんか寂しいな…。

「はーい.じゃあまたです真子ちゃん」

「うん!!また話そうね
ミラノちゃんも呼んで」

真子の良いところは
誰とも仲良くなれる事
実際.学校が違う葉月ともすごく仲が良い。

まぁ.出会ったきっかけが同じ中学に通っていた
友達のミラノの紹介
だから尚更なのかもしれない。

「んじゃデート頑張れよ兄貴♪」

「うるせぇな…」

俺は双子の弟を睨んだ
この野郎…普段は俺の事
呼び捨てしているのに
こうゆう時に兄貴と
呼びやがって…。

「おぉ…っ!!怖っ!!
行こう行こう」

そして朝日は鳳蘭姉妹を
連れて先に館内に入った。
「俺達も早く買って席に座るか」

「うん.そうしよう」

俺達はそれぞれ食べ物や
飲み物を買ってから館内に入った。

「えっと…私達が座る席は…」

真子は席が書かれている
チケットを見て
キョロキョロと館内を
見回した。

「え~とこの番号だからだいたいあの辺りだろ」

俺は真子の手をひいて歩いた。

まぁ館内を見渡すと
やっぱり俺達より幼い
子供が多い…。

その中に双子の弟の姿が
朝日の奴ニヤニヤした
顔で俺達を見ていた。
あの野郎…後で覚えてろよっ!!

「あ!!ユウちゃん席あったよ♪」

自分達が座る席を
見つけた彼女がとても
嬉しそうに俺の手を
グイグイと引っ張る。

「あ.そうか」

「早く座ろう♪」

「そうだな」

俺達は席に座り映画が
始まるまで話した。

「あ.そうそうついこないだのバレンタインデーは
嬉しかったなユウちゃんの珍しい一面を見れたから」
「俺は微妙だな…まぁ
真子からチョコをもらえたから.別に気にしないけどな…ってか
翌日色々と大変だったんだからな」

バレンタイン翌日の事を
思い出したら何故か
ドッと疲れが出た。

「そうなの?」

「あぁ…」

そうバレンタイン翌日は
本当に色々と災難だった…。

学校来て早々結城に
睨まれるし…ってか
きっとあの一件で
顔を覚えられたな…。
教室に入るとキョウが
とても幸せそうな顔で
ノロケるし昼休みは
昼休みでヒロが延々に
バレンタインの話をするし学校が終わってからも
シンジに捕まり延々に
妹の自慢を聞かされ…。
本当にあの日は散々だった…。

俺は真子にその日に
起きた出来事を話した。

「なんか本当に大変な
一日だったね」

「あぁ.一日で三年は
老けた気がする」

「はは…体験したくない一日だね」

いやいや他人事のように
言ってるけど結城の件は完璧真子のせいだろ…。

まぁ.そんな事は言わないけどな。

「あ.始まったみたいだよユウちゃん」

真子はまるで子供みたいに無邪気な笑みを浮かべ
スクリーンを見つめる。

「そうだな…」

俺も映画に集中する為
スクリーンに視線を移した。

最初にスクリーンに
写し出されたのは
愛のメッセージと言って
事前に映画館スタッフに
頼んでおくと大切な人に
愛のメッセージが
スクリーンに映し出されるシステムだ。

そして…スクリーンに
映し出された愛のメッセージは…。

『真子へいつも俺の側にいてくれてありがとう
これからもずっと俺と
一緒にいてほしい。
真子…俺と結婚してくれ
By夕陽』

なんとそこに
映し出されたのは
スタッフに頼んだ覚えが
ない彼女へのプロポーズだった。

いやいやまだ俺達は
高校生だから…っ!!
結婚出来ないだろ!!
俺は内心そのメッセージに対してつっこんだ。

「ねぇ.いつの間に書いたの?」

真子は動揺した様子もなく普通に聞いてきた。

それはそれでなんか辛い…。

「いや.書いたのは俺
じゃねぇ…」

このメッセージを
スタッフに頼んだ犯人は
だいたいわかる。

「きっと朝日が俺に
なりすましスタッフに
頼んだろうな」

アイツ後で本当にコロス…。

俺は双子の弟に殺意を
抱いた。

「そっか.朝日のしわざか」

真子はクスクスと笑った
本当呑気だな…君は。

まぁ…その方が映画
見ている時気まずく
ならないからいいか。

「あぁ~早く見たいな」

真子は早く見たいようだ。
彼女はまるで子供のように目を輝かせて映画が
始まるのを待っている。

よほどこの映画を
見たかったんだな真子は。
俺はそんな恋人を見て
思わず笑みこぼれて
しまった

「もうすぐで本編が
始まるからそれまで
もう少しの辛抱だよ」

「はーい.あ.でも…
あのプロポーズユウちゃんが書いたメッセージじゃ
なくて残念だなぁ…」

俺は彼女が何気なく呟いた一言に飲んでいたコーラを吹き出してしまう。

「ゲホゲホ…っ!!いきなり変な事を言うなよ」

「あはは.ごめんごめん」
全く真子はいきなり
俺を驚かす発言を
するんだよな…。

「笑うな…」

俺は少し照れた顔を
彼女に見られないように
顔を背けた。

「でも…いつかは
ユウちゃんの口から
直接聞きたいなプロポーズの言葉を」

そして.真子はそっと
俺の手の甲に自分の手を
重ねた。

「…いつか.な」

本当にその日が来たら…
俺の口からちゃんと
真子に言うから…。

それまで待っててな。

そしてやっと映画本編が
始まり俺達は
手を重ねたまま映画を見た。

それからその映画約一時間半ぐらいで終わり。

今はいつも行っている
ファーストフードで
昼食を食べている。

「映画面白かったぁ~♪」
真子は満面の笑みで
ハンバーガーに
かぶりついた。

余程.面白かったらしい。

「そうだな.すごく面白かったな」

なんだかんだ言って俺も
結構.夢中になって映画を見ていたな。

「そういえば…葉月ちゃんから聞いたんだけど
ヒロ君恭太郎君の為に
レシピ本を探してくれたんだってね?」

「あぁ.アイツはたまたま
って言ってるけどな」

俺は買ったサイダーを
一口飲み.話を続けた。

「まぁ.案外.ヒロ自身
キョウに断った事に
罪悪感を感じていたんだろう.断った理由が教えるのが面倒だからって…」

「ふーん…ヒロ君の場合
教えるのが面倒だから
じゃなくてどう教えたら
いいか?わからなかったんじゃないかな?ヒロ君
人付き合い苦手だから」

「あぁ…そうかもな.でも
ほっておけなかったんだろな…キョウをだから
あんなカタチだけど
なんとかしたかったのかもしれないな」

まぁ.レシピ本を届けたのは俺だけどな。

ただ.郵便受けに突っ込んだだけだけど。

「そっか…あ.私.ちょっとお手洗いに行ってくる」

そう言って真子は席に
立ち化粧室に入っていった。

「了解.いってらしゃい」

俺は化粧室に入っていく
真子を見送ると…。

自分のショルダーバックから彼女へのプレゼントを

真子のバックの中に入れた。

やっぱり.直接渡す勇気がないから.今日だけ
こっそり渡そう。

「お待たせ」

「おう」

俺は何事もなかったように普通にその後も彼女過ごした。

そして.それから彼女別れ
今.俺は家に帰り
のんびりとDVDを
見ていた。

その時.俺の携帯の着メロが鳴った…。

「もしもし?どうした?」

電話の相手は真子だった。
『むぅ~ユウちゃん私の
バックにこっそり
プレゼント入れたでしょ?』

彼女はちょっと怒ってた。
「あぁ.気に入らなかったか?」

『うん.すごく可愛くて
気に入ったよ.でも
直接渡して欲しかったぁ』
「悪い.初めて買った
プレゼントだから不安
だったんだよ」

『あ.だから私が好きな
クマのキャラクターグッズが入っていたんだ』

そう.保険として真子が
集めていたクマのグッズも一緒にいれていたんだ。

そのプレゼント
気に入らなかった場合。

『もう.ユウちゃんは
馬鹿だなぁ…あんな
素敵なプレゼント…』

「…真子?」

何故か真子は最後の言葉を言う前に電話をプツリと
切ってしまった…。

その代わりに…。

ピンポーンっと家のベルが鳴り響いた。

そして…なんと家に
訪ねてきた相手は…。

「そんな素敵なプレゼント私が嫌がる訳ないでしょ」
俺があげたピアスを
つけた真子だった。

「おまけに耳に穴を
あけてない私の為に
マグネットピアスを
選んでくれたんだから…」
「真子…」

「ありがとうユウちゃん
大切にするからね…」

俺は真子のその言葉が
すごく嬉しかった…。

「ねぇ.家に入ってもいい?今日は泊まる気で来たんだけど」

「もちろん」

そして.俺達は残りの
ホワイトデーを一緒に過ごした。