パンデミックショックが開けてそろそろ2年くらいになるのかなあ。





あなたは、2020年の春から始まりほぼ2年半続いたあのクレイジーな自粛期間をどのように過ごしていましたか?





オイラ、それまでの英会話スクール経営に飽きが来て、かねてより興味のあったインバウンドの通訳ガイドにキャリア変更を目論んでいた矢先にあのパンデミックが始まってしまったんだよね。





すでに大中5社くらいの旅行会社と契約も終えていて、実際に2〜3回、4〜5日間のインバウンドツアー業務も経験済みで、さて、これから、ドンドン仕事を引き受けて行くぞー!っと盛り上がってきた矢先、まさに出鼻をくじかれた感じだったな。





まだ、当時は、英会話の仕事も完全に辞めてはいなかったので、とりあえずは、オンライン対応にして、コロナ自粛の中、細々と生活していくしかなくなっちゃったわけ。





でもね、スクールの経営はすでに自分の中で熱が冷めてしまっていたのでね、モチベーションを維持するのに苦労してね。





そんな仕事ぶりなんで、当然、新規受講生だって増えるわけもなく。





1日に数時間だけレッスンしたら、あとは特に何もせず、座椅子のリクライニングを倒して、ただひたすら、ボーっとして過ごしていたんだよ。





これ、本当に、冗談じゃなく、人生であんなに長い時間、ボケーっとしたことなかったなというくらい、とんでもなく無気力だったなあ。





いや、ちょっと待てよ。





無気力というのとはちょっと違うな。





結構、楽しんで、ウキウキしながら、気分良く、ボーッとしていたからなあ。





本を読むこともなく、映画やドラマを観ることもなく、ハワイ系の緩いBGMをかけながら、なんだかわからないんだけど、心地良い気分に浸りながら、ひたすら、ボーッとしていたなあ。





時々、ダウンタウン、志村けん、ビートたけし、明石家さんま、タモリさんの昔の動画をYouTubeで観ることくらいはあったけど、それ以外の情報やニュースは一切見聞きすることもなかったね。





そういうのって、それまでのオイラには考えられないことなんだよね、実は。





だって、それまでは、自営業だし、それなりに野心もあったし、仕事柄、時事問題や国際事情などのニュースにも常に貪欲に注意を傾けていたからね。





寝ても覚めても、文字通り、四六時中、新しいアイデアを捻り出そうと、何かを必死に考え続ける日々だったわけ。





だから、パンデミック期間中のこのオイラの思考停止具合ってのは、本当にすごい落差だったんだよ。





日課のウォーキングや買い物以外は、まともに外出することもなかったし、三密自粛だから、もちろん、対面で人に会うこともなかったから、ほとんど山籠りしながら瞑想にでも励む僧侶みたいな生活だったよな。





いや、僧侶と言うとちょっとカッコ良すぎるな。





死語かもしれないけど、どっちかと言えば、世捨て人とかルンペンみたいな感じに近かったかな。





ニヤニヤとなぜか幸せそうなルンペンって感じ。





でもね、今思えば、この期間の、前向きでもない、落ち込んでいるわけでもない、この「ボーッ」があったからこそ、今の自分がいるんだよね。





オイラ、冗談抜きで、この2年近くという膨大な時間の「ボーッ」を通して、宇宙の㊙️な何かに繋がったんじゃないかなって思ってる。





これがなければ、絶対に、今のように旅人になることはできなかっただろう。





常に、考えに、考え抜いて、何かを築き上げていかなきゃという固定観念にそれまでずーっと囚われていた自分では、ここまで落差の大きいライフスタイルの変更を選択できなかったはずだから。





でもね、今は、確信をもって、あなたに伝えられるよ。





心を解き放ち、ざわつく思考に耳を傾けず。





子供の頃、暑さも落ち着く夏休みの夕刻、蝉の声を聴きながら、扇風機の風を受けながら、うつらうつらとまどろんでいたあの時間を思い浮かべてごらん。





心に去来するどんな事象にも焦点を定めず、ただひたすら、「ボーッ」としてみようよ。





不思議に、あなたの心を、宇宙から届く㊙️な何かが満たし始めるから。





安心して、「ボーッ」を続けてね。





気づくと世界はあなたが望んでいたもので満たされていくよ。