旅を続けていると、いろんな人達と、自然に係りを持つことになる。
一過性に終わる人間関係もあれば、かなり濃密な交際に至る交友も生まれる。
こんなに氣が合う人と、こんなに離れた所で、こんなタイミングで出逢うなんてと思えるほど仲良くなった友が、男女を問わず、少なからずいる。
中には、もう少し若い頃に、まだ独身だった頃に出逢っていれば、真剣に恋に落ちていたかもしれないというくらいにチャーミングな女性との出逢いもあり、この旅人の心は、かくして常に少年のようにトキメいているんだよね。
今朝、ネットに上がってきた記事の中に、90才になった元ワイドショーレポーターの東海林のり子さんの面白いインタビューがあった。
とにかく彼女、90歳になったこの年まで、病気らしい病気をしたことがないのだとか。
それでいて、巷で喧伝されているようないわゆる健康法などには全く関心なく生きていて、食事も冷凍食品とかスーパーの出来合いのオカズばかり食べてきたんだって。
ただ、彼女が唯一この年になるまで、健康維持の秘訣かもと感じながら、ごく自然に実践してきていることが一つだけあるとのこと。
それが、常に誰かに「恋心」を抱くことなんだって。
物心ついた頃より、90歳になった今日まで、とにかく欠かさず誰かに恋し続け、トキメキを止めない心を維持し続けている東海林さん!
なんて素晴らしいことだろう!
ボクもかくありたいと強く思うと同時に、彼女に比べれば、50代半ばの自分なんて、まだまだ「思春期」真っ只中くらいに感じていてもいいのだって思ってしまった。
そういえば、映画の寅さんも、寅次郎の旅先での決して陽の目を見ることのない恋心の進退が、常に話のメインテーマだったなあ。
だけど、結局、旅人として、根無草人生を歩む者には、恋の成就はかえって不幸をもたらすものなのかもしれない。
美しい人だなあ
優しい人だなあ
恋に落ちそうだなあ
と心ときめかせ、狂おしい想いを抱きながら、なお、引かれる後ろ髪をバサっと切り捨てて、次の旅先へと去っていく…。
一見、辛そうに見えるかもしれないが、こんな身の処し方こそが、旅人が旅生活を続けていくためのエネルギー補給をもたらすものらしい。
止めどなくトキメキ続ける心。
次の旅路への爆発的な期待感の高まり。
だからこそ、旅人は決して病に伏すこともないし、旅先の人々にポジティブなエネルギーを惜しみなく放散させるんだと思う。
さて、今日も旅を続けよう!