同世代の男性諸兄を見ていると大きく二つに分けられる。

 

 

 

”潤って”いる人と”乾いて”いる人だ。

 

 

 

通訳ガイドのツアーで、毎月、1~2度、都内の満員電車にアメリカの高校生達を数十名乗せる機会がある。

 

 

 

日本の満員電車を初めて体験する彼らは、どうやってその絶望的に狭いスペースに自分達の肉体を押し込んでいっていいのかわからず、結果的に、周囲の日本人乗客に対して、不要不測の「圧力」を与えてしまう。

 

 

 

こんな時、若い世代の乗客に比べて、明らかに不快感を露わにする人が多いのが僕達50代のオジサン達だ。

 

 

 

都内の電車に乗っている50代で、”潤って”いるように見えるオジサンを見つけるのは難しい。

 

 

 

50代のオジサンには、孤独な人が多い。

 

 

 

ある統計では、今の50代の男性の4割近くは、独身で、その大半は一度も結婚経験がないのだという。また、仮に結婚していたとしても家庭内離婚同然というオジサンも相当な割合でいるらしい。

 

 

 

孤独が長いと、身も心も”乾いて”しまう。

 

 

 

パートナーと”正統な愛”で繋がる生活から遠ざかる時間が長ければ長いほど、人は心身から「湿度」を奪われていくからだ。

 

 

 

パートナーの素肌の香り、ぬくもりや潤いなどに包まれて眠る夜の安心感やエロス、そして、一体感などから長く隔てられていることは、人から、潤いだけでなく、求愛心さえも奪っていくものらしい。

 

 

 

もう、この年で、人を愛したり、人から愛されたりなんて悦楽を自分が得られるはずがないし、そんな資格もない。

 

 

 

そんな風に考えているうちに、オジサン達はどんどんどんどん乾いていってしまう。

 

 

 

この乾きは、お金とか、社会的ステータスとかで、回復できないことに気づいていないオジサン達が多すぎるのが問題だ。

 

 

 

潤いを取り戻すために本当に大切なことは、中高生の頃、意中の女性とのデートやキスやセックスなどを夢見て、見悶えて学業が手につかなかったあの情熱に他ならないはずなのに。

 

 

 

安易に性風俗や契約愛人との”乾いた”シチュエーションで、金銭を払って劣情の処理をするという機械的行為では、求める”潤い”が得られることは絶対にないと気づくべきだ。

 

 

 

だから、僕はいつだって恋をしていたいし、いつだって、それをプライオリティにして生きてきた。

 

 

 

旅に出るのも、そのためだから。

 

 

 

旅は、あなたに必要なものを教えてくれる。

 

 

 

旅に出ると、帰る場所や帰る人がいることの喜びを誤解なく理解できる。

 

 

 

人生で最も大切なものが、愛であるということを完全に理解させてくれる。

 

 

 

さあ、貴方も旅に出よう!