最近身の回りで不思議な事ばかり起こっている。

これは何かを暗示しているのだろうか。


事の発端は居酒屋で働いている時に常連のおじさんが言っていた、どうしようもなく仕様も無い事だった。


『過去にいってみたくないか?』


その発言を軽く聞き逃していたのだが、手も空いて考えてみることに。

時間軸を移動する事を考えるなんて馬鹿げた事だったが、たまに馬鹿げた事を考えると気持ちが楽になるのも事実だ。

過去か。そうだな。この仕事を始める前に、いや、もっと昔に戻りたいと思った。色んな事を知る昔に戻りたいと思って少し不思議な気持ちになった。この仕事を始めて後悔した事はないけれど、こんな事を考えているのは心のどこかでそう思っているのだろうか。

なんて、馬鹿げた事を考えている途中で、おじさんが割り込んできた。


『今日な、職場で変な事を聞いたんだ。まあ、年寄りの暇潰しと思ってきいてくれよ。』


俺はカウンタ越しにおじさんと話をした。


要約するとこうだ。職場の若い人の間で噂になっている事があり、それがタイムマシーンの存在だと言う事。

おじさんは、なんて幼稚な話をしているのだと注意したのだが、彼らには確証があるらしい。

それは職場の若い人の仲間がある日突然消えてしまい、死体も何も発見されていないので不思議に思った彼は消えてしまった仲間の最後の一日の足取りを追ったらしい。すると、彼が車で出かけ、人をはねた人身事故を起こしたのだが、その事故には不自然な事が多く、仲間は突然消えてしまった。と言うわけだ。

彼らは憶測によってタイムマシーンに行き着いた。


と言う事だ。


分かってる。俺が馬鹿げた話を今書いてるのは自分でもよく分かってる。俺もこの話を聞いた時は鼻で笑ったから。


でも、この話はここで終わりじゃないんだ。

この話をちょっとした笑い話の感覚で、仕事の上司にしてみたんだ。上司は笑いながら


『君は疲れている。そうだ!休みをやろう!私が上にかけあってやるから、少し休んでみてはどうだ?』


俺は久しぶりの休みと組織から旅行と少しのお金をプレゼントされると言うので驚きよりも嬉しさが勝って、二つ返事で承諾した。今となっては俺はこの軽率な行動を悔やんでいる。

なぜって、ただの笑い話に休みをくれる事自体が、まずおかしい。それに、上司に上記の話をした瞬間の変な間と上司の驚きの様な顔。ましてや、休みに加えて、旅行と資金を調達する組織。

これは何かあるな。もしかしたら・・・これ以上は憶測の域を出ないので止めておこう。



といったわけで今私は日本を離れている。

行き先は自分で決めても良いと言われたのだが、特に行きたい所もなく急な話だったので、思いつかなかったので、デタラメに最近目に付いた国と住所に決めた。

組織はすぐに手配してくれて、数日後に日本をたったと言うわけだ。


まあ、飛行機が着いてビックリしたことが沢山ある。

何も無い所だ。研究所が近くにある位で、周辺には研究所関連の人の家や最低限の設備や建物があるだけで他には何も無い。救いなのはバーの雰囲気と品揃えがいい事くらいか。しばらく暮らす部屋は荷物を置くだけの倉庫になっていて、俺はバーに入り浸っている。


そういえば、ビックリした事は他にもあって、俺がデタラメにいった住所、これなんでとっさに出てきたんだろうと思ってたんだけど、先日の日記に書いた仕事の時の写真が挟まってた手帳に書いてあった住所だったんだ。

俺も気付いた時には笑ったよ。何か引っかかると思ってたけど、こんなにもひっかかってたなんて。


そして、更に。バーにいると色んな人に会うんだけど、あの山田に会った。笑

ほろ酔いになっていい気持ちでボーっとしていると日本語が聞こえてきて、気のせいかなと思ったら気のせいじゃない。顔を上げるとどっかで見た顔だなぁと思っていたら、そこには山田が。もちろん、向こうは俺の事なんて知らないのに、俺が日本人だと知ると外人特有の凄いテンションで話しかけてきた。

色んな事を話したよ。音楽とかタイムマシーンの話とか。

もちろん、彼の友人を殺したなんて事や俺がここに来たキッカケは言わなかった。俺はもちろん彼の事を知らない素振りで振舞ったし、ここにいる理由を聞かれたけれど、とっさに思いつかなかったので研究所関連の仕事だとだけ言っておいた。

アレだけ広いんだ。山田が全員と知り合いなわけないだろう。

俺はボロが出る前に家に帰った。また一緒に飲む約束をしてある。と言っても、俺は一日の大半をあのバーで過ごすんだけどな。笑


不思議な事は続くんだなぁと思った。

殺し屋です。

前回の仕事の日記、行く前行った後を書いたのに中身無いなと思って書いてみます。


前回はヤクザがらみでした。仕事柄、そっち関係との接点が強いのです。

一般的な人達の依頼2、そっち関係の依頼7、その他1と言った割合です。

今回はヤクザ絡みとは言っても、盃を受けるかどうかの瀬戸際でまだギリギリ堅気の人間のようでした。

事務所には出入りする見習いと言えば分かりやすいでしょうか。

依頼元はその事務所。仲間に見捨てられたヤクザと言うのは悲惨です。

理由は詳しくは聞きませんでした。少しは聞いたのですが、前回ミスした事なので、それ以上は聞きませんでした。

まあ、親の命令に反しただけではなく、情に流され親に銃を向けて身をかわしたようでした。

素人に銃を持たせるとろくな事はありませんね。相手を殺せない所か、ただただ痛い思いをさせるだけなのですから。我々は一発で楽に死を与えますが、こう比べると素人の方がエグいですね。


探し出し近距離で狙ったので、最後の言葉が聞こえました。胸ポケットに手を入れ『山田、すまん。約束守れなくて』と言っていました。少し気になり時間にも余裕があったので、ターゲットの胸ポケットにある手帳をパラパラとめくっていました。間には写真が入っていて、ターゲットとハーフっぽい男性と外人の女性の三人が写っていました。


このハーフが山田・・・?何と日本人らしい名前なんでしょうか。笑

でも、あの日から少しこの写真が気になります。正夢やデジャブのような気持ち悪さが。。。

何かあるのでしょうか。

いつも通りの思い過ごしだといいのでしょうが。

とても目覚めの悪い朝だった。

内容は詳しくは覚えてはいないのだが、遠い昔、まだこの仕事を始めてすぐの頃の夢だった。

俺はまだ幼く、人を殺める事に恐怖と興奮を覚え始めていた。

数回に渡る仕事で自信を持ち始めていた俺は上司に簡単な仕事を任されていた。

上司にいい所を見せたい一身で張り切っていた俺はターゲットの脚をとめるだけと命令された事を忘れ、ターゲットにつっかかってしまった。

そのせいで、作戦は失敗。ターゲットに気付かれ計画を立てづらくなってしまい、上司はその責任をとったらしく、しばらくして連絡が取れなくなってしまった。事実に基づいた夢だ。


その事は自分にとってトラウマのようなもので、今でもその事を思い出すと眩暈がする。

あー。こうやって書いてるだけで息が荒くなってしまう。


あの時の失敗は未だに許せない。自分の余計な行動が、この仕事にとってどれだけの損害をこうむるのかを身を持って考えさせられた。少し憂鬱で、涙が止まらなくなってくる。

俺ってこの仕事向いていないのか・・?