脳梗塞の母は家族を忘れてました | 乳がんサバイバー5年め年金生活突入です

乳がんサバイバー5年め年金生活突入です

今思えばコロリン達夫婦は小学校の教科書に載っていた「蟻とキリギリス」のキリギリス生活を送っていたのだと年金生活になってやっと気がつきました
トントンの生活習慣病は自覚無しの危機的状況、コロリンは乳がんサバイバー5年目
現在節約生活頑張ってます

こんにちはヾ(@°▽°@)ノ

訪問ありがとうございます




このところやっと夜が涼しく過ごしやすくなり

虫の合唱が足元の深い草むらから聞こえると

思わず立ち止まって聞き惚れてしまいます



六月に脳梗塞で倒れ病気の治療を終えた母は

次にリハビリテーション科のある病院へ移り
リハビリに励み先生方のお蔭で手助け
無しで

歩けるまでに回復しました


先日お見舞いに行った時は看護師さんから
「今月には退院やその後の生活のケアの話が
あると思います」
と言われました


その日ちょうどリハビリ訓練の時間だったので

見学する事ができました

リハビリは行動の方でなく知識の方でした

テーブルに座って数種の色の三角柱のカップの
色を並べ替える作業です
色を組み合わせるのが難しいらしく何度も何度も
やり直していました



それが終わると

リハビリの先生が聞いている中でコロリンが
家族の族柄の様子を話しました


驚きましたΣ(・□・;)母は
孫やひ孫がいる事を忘れていたのです

別にそれを困った事だとも思ってなくて
子供が2人で孫が4人でひ孫が4人いると
教えても
「そうなの、そうだよそんな事知ってるよぅ」
とただニコニコ笑って何度も繰り返すのでした


最近は母がコロリンの話しに返事して

それなり回復していると思ったのに

(((( ;°Д°))))まがい物だったのです

コロリンの一方的な話に合わせて

言葉を繰り返していただけなのでした



昔読んだ星新一さんの「ボッコチャン」の
短編小説を思い出しました
酒場で働くボッコちゃんは人間そっくりに
作られた美人女性ロボットです
お客の話した言葉を繰り返して接待をするのです

例えば客が「綺麗だね」と言うと
ボッコちゃんは「綺麗でしょ」と返し
「お酒を飲むかい」と言えば
「お酒を飲むわ」と返します
客の言った言葉を単純に繰り返すだけです
それでも誰もロボットだと気づく人はいません


実はΣ(゚д゚;)母がボッコちゃんでコロリンが

酒場のお客さんだったのです


コロリンは会話が成立していると思ったのに

(T▽T;)ショックでした

一方通行だったのです


言った言葉が分からなくなると母はよく耳に
手を当てて「聞こえないのよ」と言うので
耳が遠いだけだと思っていました


リハビリの先生がコロリンが言う家族構成を聞いて
「これから少しづつ思い出していこうね」
って優しく声をかけていました

毎回先生がコロリンが娘だと教えてくれていたのです

でも(*・?・*)。o?不思議なのは

入院当初から娘のコロリンが分からないのに

コロリンの旦那のトントンがわかったことです


次に家族の名前を紙に鉛筆で書きます

母は名前を上手に漢字で書くのですが

何も聞かれず真っ先にサラサラ書いたのは

トントンの名前です

分かりにくい漢字なのに…

思わず
「これって何?」
ってΣ(゚д゚lll)イラっとしちゃいました


なんで娘よりトントンなの?
もしかして( ̄◇ ̄;)トントンは年寄りに
愛されキャラなのかもしれない…


孫の名前は殆どわからなかったのに
「◯◯って言うんだよ」って言う度に
明るい声で
「そうそうこの名前は私が考えたのよ」
って言うのです

(そんなこと無いよ…)って思ったけど
母が楽しそうに言うので言えませんでした


好きだったカラオケの話をしたら良く歌った

「岸壁の母」を歌い出しました


母の脳が不思議な変な脳になっていた事が

判明ました

不安顔のコロリンに先生は
「大丈夫ですよ回復してますから」
っと言ってくれました

変だと思っていました

頑固で人の言う事を聞かない母が

脳梗塞を患っていつも微笑んで可愛く変身した

それは
( ̄◇ ̄;)脳が壊れちゃったから?なのですか?
それとも
それが奥底に隠されていた母の本当の姿?

コロリンの周辺には時々「未来」という妖怪が

見え隠れします


脳梗塞を患い車椅子で暮らすトントンの母の未来
週3回透析に通うトントンの妹の未来
毎日呑む山程の薬で生かされている
トントンとその弟の未来
乳がんの再発と最近薬の副作用か

物忘れも酷くなり怯えるコロリンの未来
コロリンの弟のところはもっと深刻です
88歳の父の事も

問題山積です
明日何があるか分からないのですから
明日に蓋をして今日一日が無事だった事を

見つめポジティブに過ごします


リハビリテーション室のテーブルを離れる時
コロリンは
「おばあちゃんは面倒観てくれる旦那と
子供が2人孫が4人ひ孫が4人いるんだよ
いっぱいいるからさみしくないね
またくるからね」
って手を振りながら言いました


母は嬉しそうにうなずいて手を振りかえしました

廊下を歩きながら多分次に来た時は
また忘れてるんだろうなと思いました
寂しくて辺りの景色が滲んで緩んで
瞼閉じれば涙がこぼれそうだったので
トントンに悟られないよう必死に
天井の無機質な模様を睨みつけました

:*:・( ̄∀ ̄)・:*:取り敢えずはトントンの事は
いつでも覚えているようですから
良しとしましょう