日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠(その1) | 日本人の進路

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左翼全体主義(共産主義)国家化が進む日本。マスコミはどこを向いても左翼ばかり。これでは日本国民が洗脳されてしまうのはくやしいけどどうしようもない。ただあきらめてしまったら日本の明日はない。日本の中、露、朝への属国化が現実のものとなってくる。

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日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠(その1)












愛する祖国 日本より



日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠

http://jpn.yamato.omiki.com/documents/two_america/4-1.html







第四章 米国の国際戦略

「アメリカは」二つ存在している! P.262-293








 アメリカの国際戦略を解析していく上で、まず共和党と民主党はまったく対照的であることを理解してもらう必要がある。共和党も民主党もひとまとめにして『アメリカ』という単位で考えてしまう視点は、日本人が陥りがちな誤りである。「共和党でも民主党でもアメリカはそんなにかわらないだろう」と思っている人も多いようだが、この両党は対外戦略も内政面も大きく異なった思想信条を基盤としており、当然ながら個々の議員によって個人差は当然あるものの党全体のカラーとしては正反対なのだ。


 かつてパキスタンのアユブ・カーン大統領が「アメリカという国とつきあうのは、ガンジス川とつきあうようなものだ」と述べたことがある。ガンジス川は平均して四年に一度、大洪水を起こしてそれまで築いたものを全て押し流してしまう。アメリカも四年に一度の大統領選挙があり、その新政権が共和党か民主党かによって全く違った国際戦略に変わってしまうという意味である。





 未来学の始祖と言われるK・ボールディング博士は、名著『ザ・ダメージ』の中でこの二大政党を「共和党は象、民主党はロバ」として、「共和党は伝統を重んじ、落ち着きがあり、高貴な気位を持つ、厳格な頑固者」「民主党は成り上がり的で、敏感にして小利口だが、自分のことを何も分かっていない陽気な間抜け」と評している。(ちなみにこの象とロバは両党がそれぞれ党のシンボルマークに採用している。)すなわち共和党と民主党とは、陰と陽、リアリズムとポピュリズム、武の誇りと商の利、規律と享楽をそれぞれ代表する政党なのである。それでは両党の支持層・政治的信条・対日戦略などの相違を具体的に比較検証していこう。


 まず民主党 のカラーについて言えば、労働運動やマイノリティの集票力が大きく、嫌日親中で容共主義的・国際主義的で国連へのスタンスも好意的である。 内政面では、中絶完全自由化・死刑廃止・不法移民容認・労組重視・結婚制度反対・同性愛容認・宗教多様化容認などが特徴であり、いわゆる「大きな政府」志向のリベラル思想の政党だ。



 一方、共和党 は伝統的保守層とキリスト教原理主義勢力(三百万人を擁する「クリスチャン・コアリション」を筆頭とする福音派)の集票に支えられ、伝統的に親日反中であり、反共産主義の思想が強い政党である。力による秩序と強力な同盟関係による安全保障策が基本であり、国益重視の反国際主義で、国連に対しては反感を持っている。 内政面では、中絶禁止・死刑制度存続・家族制度重視・不法移民反対・銃規制反対などが特徴で、いわゆる「小さな政府」志向の伝統的保守思想の政党である。



 なおブッシュ大統領個人について言えば、ブッシュの生まれ育ったテキサスは今でも「古き良きアメリカ」が残る州であり、ブッシュは家族制度に代表される伝統と規律を重んじ、リベラルの唱えるニュー・カルチャーを否定し、「勤勉に働き、家族と友人を大切にし、約束は必ず守り、国家のために尽くせ」という価値観を確固として持つ人物である。ブッシュのこの信条は同じく共和党大統領であったレーガンの信条と軸を同じくしている。レーガンは荒廃した道徳の復興を掲げてベネット教育長官に道徳教本を編集させ、それは全米三千部のベストセラーになったが、同教本が説く徳目十項目の内九項目までが日本の教育勅語や戦前の道徳教本と同一の内容を米国流に置き換えたものである。このようにブッシュやレーガンに代表される共和党保守派の価値観こそ、我々日本の伝統的保守陣営が共有できるものではないだろうか。


 ところでこれは日本人はあまり知らない様子だが、米国の南北戦争の際に南部側で奴隷制を支持していたのが実は民主党であり、一方北部側で奴隷解放を唱えていたのが共和党である。奴隷解放宣言を行ったA・リンカーンは共和党の最初の大統領だ。南北戦争で敗北した民主党はその勢力挽回のために、新しい移民をターゲットにして「労働者や貧困の党」をアピールし移民船の到着する港で党員勧誘を行った。映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』には、この十九世紀後期の民主党による勧誘の様子が描かれている。つまり共和党は奴隷制に反対すると同時に「白人も黒人も平等であり、黒人優遇は白人の逆差別になる」と一過して正論を主張してきたわけだが、元々は奴隷制度支持の民主党は奴隷解放後は一転して「黒人優遇政策」を唱え出し、企業の入社や大学の入学などにおいて試験の成績に関係なく一定割合の黒人をパスさせる法律を作ったりしている。黒人層の九十%が民主党支持と言われるのも、この民主党の「黒人えこひいき政策」に由来するのだが、この歴史的経緯をみても日本人の多くが持つ「米民主党は弱者の味方」というイメージがいかに誤ったものか明らかである。



 マスコミでは、共和党ブッシュ政権についてネオコン(ネオ・コンサーバティブ派)という呼び方を多用しているが、このネオコンとは、元々はレオ・シュトラウスというユダヤ人政治学者を源流として、マルクス主義から保守主義に転向したW・クリストルという元民主党系評論家が中心となってつくった勢力である。要するに民主党右派が民主党のあまりの容共的左派体質に嫌気がさして内部批判を始めたものであり、共和党にしてみれば対外戦略においては従来の共和党イデオロギーとほぼ一致していただけのことだ。つまり日本で例えると、社会党が自民党に合流して自民党保守派政権が誕生したようなものが、アメリカでいえばブッシュ政権だということだ。民主党リベラルから転向したからこそ「ネオ」と付くのであって、本来の共和党員は単なるコンサーバティーブ(保守)でありネオコンには一人も該当しない。つまり日本の思想界に例えれば、戦前戦後一貫して保守の立場を堅持した田中正明氏や小堀桂一郎氏なんかがコンサーバティブであり、かつてはマルクス主義者でありながら保守に転向した西部邁氏や林健太郎氏なんかがネオコンという立場に該当する。


 W・クリストルに代表されるネオコン陣営は、クリントン政権のウィルソン的理想主義(国際主義)を非現実的な妄想だと断じる一方で、「今世紀に最も成功した米大統領はセオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンである」と述べてレーガン主義への回帰を主張している。セオドア・ルーズベルトもレーガンも共和党の大統領であり、両大統領を手本とするネオコン勢力が、民主党非主流派から共和党主流に合流したのは当然の帰結なのだ。いわばアメリカにおいて政界のイデオロギー再編が行われただけのことであり、ネオコンをまるで闇の陰謀勢力であるかのように批判する向きは、私には幼稚な陰謀論としか思えない。例えるならば、日本の民主党の若手議員たちが民主党の左派体質に嫌気がさして自民党に合流し国防力充実を唱えたところ、マスコミが「ネオコンが自民党を支配した」と騒ぐようなものである。




 ネオコンには内政面では民主党的なリベラル政策を唱える人物が多く、また対外戦略においては民主党の基軸方針たるグローバリズムを信条とするため、反グローバリズム思想を伝承とする共和党主流派と対立することも多い。従来より共和党にはアイソレーションズム(一八二三年にJ・モンロー共和党大統領が唱えたモンロー主義をルーツとする)という他国不干渉主義(反グローバリズム)が根強くあり、P・ブキニャンあたりがこの代表格だが、要するに米国民の生活を第一にしてなるべく外国のことには関わりたくないという考え方である。従ってネオコンが共和党で主流派となることは、このグローバリズムの是非をめぐる思想対立のために有り得ないのだ。ネオコンはユダヤ人が多いのだが、それはグローバリズムなる民主党の世界戦略の目的が、国際ユダヤ資本を中心とする世界中の米国の資産や利権を拡大し保護するために、世界をアメリカの「管理下」に置くことにあるからだ。従ってネオコンは、グローバリズムとシオニズムという元々は民主党の政治思想を併せ持つ「共和党の異端」なのであり、とりわけユダヤ人が中心であるためにシオニズムの要素が強い。シオニズムとは、一八九四年のドレフェス大尉スパイ事件をきっかけにテオドール・ヘルツルが著した『ユダヤ人国家』をそのルーツとして、十九世紀末に欧米で唱えられ始めたイスラエル建国運動であるが、エルサレムの主席ラビであるクック師「ユダヤ民族は神に選ばれた最優秀民族」だとして、ナイル川からユーフラテス川までの広大なる大イスラエル建設とユダヤによる単一世界秩序構築唱えたことから、現在はユダヤ民族至上主義運動に事実上転化している。


 しかし、ブッシュ政権は、ユダヤ系の支配するバーチャル金融経済「ニュー・エコノミー」を否定して実体経済復興政策を採るなど、このシオニズムから距離をあけており、パレスチナを国家承認する意向も持っている。米国歴代大統領の中で、パレスチナ国家承認を明言したのはブッシュが始めてだ。現にイスラエルのシャロン右派政権は、ブッシュのパレスチナ政策に反発して批判してきた。従ってイスラエルがこの時期にハマスのヤシン師とその後継者ランティシ師を殺害という強固策に出たのも、「テロの戦い」を呼号するブッシュ政権がイスラム過激派ハマスに同情的な対応を取れないことを見越して、あまりイスラエル寄りではない共和党をこの際に「パレスチナ側から見た敵」に仕立てて自国側に引きずり込んでしまおうという戦略である。ブッシュがイスラエルのこの暴挙(ヤシン師殺害)について消極的な発言しかできずに内心困っていると、案の定ランティシ師が「ブッシュは神(アラー)の敵」と気勢を上げた。実に巧妙なイスラエルの国際戦略である。ちなみにユダヤ人は全米人口の二%ほどなのだが、全米の金融・マスコミの大半を支配しているため政治的な力が強く、それに対して共和党の支持率基盤の一つである純粋愛国者組織「ジョン・バーチ教会」は反共と同時に反シオニズムも掲げており、「ユダヤ人は国際金融経済で世界を支配しようとしている」と主張している。共和党に対して親イスラエル政策を取るように要請しているのはユダヤ人ではなく、むしろ「聖書にあるようにエルサレムはユダヤ人が支配するべき」と考えるキリスト教福音派勢力なのである。


 ブッシュ政権発足時の閣僚は、白人男性六、白人女性三、黒人男性二、日系男性一、ヒスパニック系男性一、台湾系女性一となっており、ユダヤ系は一人も入閣していない。逆に民主党のゴアは、大統領選においてユダヤ補支持を表明していた。またゴアの娘もユダヤ人と結婚していて、先の大統領選ではユダヤ系米国人の八十%以上がゴア候補に投票したと推定されている。ちなみにクリントン政権においても、オルブライト国務長官、バーガー補佐官、コーエン国防長官、ドイチェCIA長官ら、主要閣僚の大半がユダヤ人だった。民主党のジョン・ケリーに至っては父方の家系がユダヤ人であり、大統領予備選の演説で「最も重要な同盟国はイスラエル」と述べている。アメリカでは従来よりユダヤ系の八割は民主党だといわれているが、それは民主党の多民族・多宗教寛容主義や「ニュー・エコノミー」志向にも関連する。


 民主党の政治資金を支えているのは、ニューヨークのウォールストリートを中心とする金融財界と米三大ネットワークを中心とするメディア業界だが、その両方ともがユダヤ資本であり、ユダヤ系財閥の王者ロックフェラー家もJ・D・ロックフェラー四世が民主党上院議員を努めている。ロックフェラー家で共和党員であったのは傍流のネルソン(当主である兄への反発とされる)だけであり、他は全て民主党支持を表明しているのだが、このロックフェラー家に代表される米国ユダヤ人社会は共和党保守派の持つようなパトリオティズムが薄く、金融による国際経済支配を重視するグローバリストである。ユダヤ人は昔から欧州全域に分散して金融業を中心に勢力を築いており、根無し草というか郷土防衛の概念よりも、世界中に築いたユダヤ・ネットワークの権益と資産を防衛することを最優先する。従って必然的に国際主義の政治的立場に立つ。AIPAC(米国イスラエル広報連盟)やZOA(米国シオニスト協会)など大手のユダヤ人組織は全て民主党の支持基盤となっており、いわばユダヤ人に票と資金を与えられた民主党はグローバリズムとシオニズムに重きを置いた政策へ必然的に傾く訳である。従って元民主党のネオコンが親ユダヤ的政策を持論とするのは、共和党ではなく民主党のカラーを引き継いでいるのである。そこを見誤ってはならない。




 ブッシュ政権には、大別して三つの派閥があり、最大派閥のラムズフェルドら共和党保守派、次いでライス補佐官などのキリスト教派、そしてネオコン派であり、日本のマスコミはネオコンばかりを強調しているが、ネオコン派は三派の中の最小派閥に過ぎない。ネオコンの操り人形であったイラク国民会議代表A・チャラビをブッシュが絶縁したことも、ネオコンの政治的影響力が限定的なものでしかないことを裏付けていよう。ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドらは、レーガンの伝統を受け継ぐ共和党本流の保守派であってネオコンには該当せず、「ネオコン支配」を強調する論調には、アメリカでは反共和党、日本では反米の意図がこめられている。この元民主党のネオコン派の中には「原爆投下は解放だった」と広言するものもいるが、一本の木を見て森全体を判断するような愚は避けるべきであろう。


 さて現在アメリカでは年間四万件の訴訟(一人あたりの件数は日本の約三十倍)が起こされているが、この訴訟原告専門弁護士業界(約四十%がユダヤ人)が一致して民主党を支持しており、民主党の重要な政治資金源になっている。ケリーが民主党副大統領候補に指名したエドワーズ上院議員も、元々はこの訴訟原告弁護士であった。アメリカでは賠償金支払を命じる判決に対して被告が控訴する場合、その賠償金と同額を供託することになっているため、賠償金が巨額になると控訴もできず会社が倒産しかねない。そのため企業側は訴えられると判決が出る前に和解しようとする傾向があることから、それを目当てに言いがかりのような賠償訴訟が大量に乱発されており、訴訟弁護士は和解でも報酬が入るために「子供が肥満したのはマクドナルドのせい」といった馬鹿げた訴訟でも引き受けるのだ。この風潮を憂慮する共和党は「訴訟亡国」を警戒して安易な賠償訴訟にブレーキをかけるため企業責任を限定しようとしているが、民主党の場合は「個人が企業を訴えた場合、必ず企業の方が悪い」といったマルクス主義的な視点が主流である。


 ちなみに日本でも深刻化している少年犯罪に対する姿勢も、共和党と民主党では大きく異なった差を見せている。例えば一九九三年以前のニューヨークは、民主党の知事と市長が少年犯罪への厳罰化に反対し続けたせいで「夜の一人歩きは自殺行為」と言われるような犯罪の巣となっていた。しかし一九九三年に当選した共和党のパタキ知事とジュリアーニ市長は、警官を大増員して少年犯罪の徹底取締と厳罰化を進め、彼らの任期中の四年間に殺人は三十四%減少、強盗も三十五%減少し、両氏は再選されている。犯罪を減らすことができるのは本物の保守政党だけであるという証左であろう。


 かつて米国でウーマンリブ運動が流行し、飛び火した日本では今や、夫婦別姓など家族制度の否定、田島陽子や福島瑞穂に代表される偏向フェミニズムやジェンダーフリーといった奇型的マルクス主義運動に化けてしまったのだが、その本家たる米国ウーマンリブ運動を指導していたのが民主党であり、今も民主党の支持基盤の一つにナショナル・オーガニゼーション・フォー・ウィメン(全米女性同盟)という組織がある。この組織はかつてのウーマンリブ運動、そして現在のフェミニズム運動の総本山のようなポジションにある。同組織の二名の共同会長(女性)は自分たちがレズビアンであることを公表して「レズであることがフェミニズムのあるべき姿」と主張しているが、キリスト教的観点からホモやレズを異端と見なし嫌悪する共和党に対して、民主党がやたらとホモやレズに迎合するのはそれがフェミニズムの一形態とされるからである。このフェミニズムの源流はエンゲルスの著作に由来するもので、前述のようにエンゲルスは家庭制度を「夫は家族の中でブルジョアであり、妻はプロレタリアート」と規定して「女性を家内奴隷から解放せよ」と説いている。フェミニズムとかウーマンリブとかの類いは例外なくエンゲルスのこの思想をルーツとしており、要するにそれらは共産主義イデオロギーの中の一種なのだ。






 ところでこのようにアメリカの世論が明確に二分割されていったのは、戦後においては主に一九六〇年代を一つの境にしている。ベトナム反戦運動を是とするか否とするか、ヒッピーやフリーセックス、ウーマンリブや中絶や同性愛といったライフスタイルを許容するか否か、「黒人優遇政策」を是とするか逆差別だと考えるか、これらの価値観の相違が米国民をピッタリ二等分し、共和党と民主党がそれぞれの価値観を代表する立場が定着したわけだ。共和党のレーガン大統領はその八年間の任期内に、それまでアメリカの社会運動に浸透してしまっていた共産主義とアナーキズムを大掃除した。(ちなみにこれは今の日本にとって最も必要な大掃除である。)ヒッピーやウーマンリブといった従来の左派的社会現象にうんざりしていた都市部の白人労働者を中心とする民主党員は、こぞってレーガン支持に転じ「レーガン民主党員(デモクラッツ)」という言葉が誕生した。このレーガンファン民主党員は熱心な反共主義者となり、ルーズベルト政権以後「ニューディール連合」と呼ばれた民主党支持基盤は分断されて、これらレーガンファンの反共派は共和党へと移籍していった。かくて容共派だけが民主党に残ることになり、クリントン時代の親中路線を支持するに至ったのである。クリントン時代には、クリントンのベトナム反戦運動歴や徴兵逃れの過去、女房ヒラリーがウーマンリブや「子供の権利条約」など左派運動のカリスマであること、クリントン自身の幾多のセックススキャンダル、いわゆるホワイトウォーター疑惑に代表される金権主義、中共や北朝鮮といった共産主義国との蜜月ぶり、これらの諸要素はまさに共和党支持層にとって最も忌み嫌う反価値的なものであり、共和党支持層の多くは「クリントン・ヘーターズ」(クリントン憎悪者)と自称して民主党との溝は一層拡大していった。このように両党の政治的信条は内政面でも大きく異なっており、反共を長年の党是とする共和党に対して、容共主義的な民主党政権はこれまで共産主義国に利用されてきた歴史がある。



 例えば、民主党のルーズベルト政権であのハルノートはハルが書いたものではなく、その原稿を執筆したのはハリー・D・ホワイトという財務省特別補佐官だが、この人物はソ連KGB工作員であったことが一九四八年七月に発覚し、しかもそのわずか一ヵ月後の八月十六日に突然の変死をとげている。おそらくKGBによって消されたのではないか。アメリカをソ連のみかたとして参戦させるために、ソ連のビタリー・パブロフという工作員から「日本が絶対に受け入れられない条件を書いてくれ」と依頼されたホワイトは、日本を追いつめるためにもハルノートを作成したのだ。詳しくは次章で述べるが、ルーズベルトのニューディール政策は共産主義的な面があるため、マルクス・レーニン主義者が大挙して政権要所に入りこんでソ連のために日米開戦を誘導し、また共和党マッカーシー上院議員のレッドパージ(アカ狩り)の対象の大半が民主党左派であり、ソ連のスパイとして協力してきた者の大半は民主党支持者であることからも、民主党の容共的左派体質は明らかなのだ。そしてそのため民主党と中国共産党の結び付きも、共和党とは比較にならない程に深いものがある。


 クリントンは一九九六年の大統領選において中共人民解放軍から三十万ドルの献金を受け、それ以降もクリントンやゴアなど民主党要人の多くは中共から総額一千万ドル以上の裏献金をインドネシア・香港・マカオを経由して受け取っていた。インドネシアの華僑である李文正は中共がインドネシア経済支配のために送り込んだエージェントだが、この李文正は一九七〇年代初頭に米国アーカンソー州に銀行を設立し、その経営を息子に任せている。実はこの銀行の顧問弁護士がヒラリー・クリントンであり、李文正は中共から民主党への裏献金を中継するマネージメント役を行ってきたのである。また中共は在米華僑のリアディーズ財閥を通じて民主党系の二つの所属するアーカンソー州ローズ法律事務所であり、もう一つは民主党元全国委員長C・マナットが主宰するロサンゼルスのマナット・フェルブス法律事務所(民主党のカンター元通称代表もここに所属)である。米国情報筋によれば、クリントンはこの中共からの闇献金受領に関するやり取りを密かにビデオに撮られてしまい、そのためにクリントンは核開発の極秘データを中共に提供している。ついでに付記すればクリントンはアーカンソー州知事時代に、横山ノックの紹介で朝鮮総聯系大阪在日朝鮮人商工連からも多額の献金を受けており、まるで民主党親中朝派政治家や社会党のように中朝のカネに汚染されていたのだ。まさに容共主義の伝統を持つ民主党ならではの腐敗した政権がクリントン政権であった。



 民主党大統領候補のジョン・ケリー上院議員もその例外ではなく、一九九六年に中共人民解放軍傘下の「中国航天国際公司」役員の劉朝英(人民解放軍の現役軍人)が米国の中国人実業家ジョニー・チャンに三十万ドルを託し、チャンはこの金をケリーに闇献金している。中共のヒモ付きとなったケリーは、人民解放軍系企業の米国証券市場上場に便宜をはかるなどの中共のエージェントとしての役割を果たしたが、一九九八年ジョニー・チャンがケリー及びクリントンへの不正献金で逮捕され有罪確定となると「金はチャンに返した」と言い張った。自らも後ろめたいクリントン政権が当局に圧力をかけてケリーは訴追を免れたが、もし共和党政権下での発覚であれば逮捕されていた可能性もある。


 この不正献金を自著でスクープしたのは米上院外交委員会元主席W・C・トリプレットだが、クリントンら民主党首脳が中共から一千万ドル以上の闇献金を受け取った行為は、アメリカでは「国家反逆罪」に該当する。しかしFBIが報告したこのクリントンの「国家反逆罪」について、クリントン政権の司法長官は捜査の打ち切りを命じ、米国民の目をそらすカモフラージュとして、ルインスキー裁判偽証事件を前面に押し出して捜査を命じた。当時「なぜ米国司法長官は自らの政権の大統領を偽証で訴追させたのか」と不思議に感じていた方もおられるであろうが、その背景にはこういう事実が存在していたのだ。また共和党もアメリカの名誉に鑑みて「アメリカ大統領が中共からワイロを受け取っていたなどということは、民主党の問題のみならずアメリカ国家の恥だ」と考え、敢えて執拗な追求は控えている。橋本元首相の中共スパイ愛人問題で、西村真悟代議士が批判はしても敢えて執拗な追求を控えられたが、それと同じような想いが共和党にもあったのであろう。



 ちなみにクリントン政権下のバーガー安全保障担当補佐官は元々は中国ビジネス専門のロビイストであり、ペリー国防長官(第一期)は現在北朝鮮ビジネスのロビイストになっており、コーエン国防長官(第二期)にいたっては中共との貿易コンサルタント会社の経営者でもあった。このコーエン元国防長官は二〇〇三年一月に日本の国防筋に対して「北朝鮮の核兵器保有を日本は容認できないか」と打診してきた人物である。そして勿論のことクリントン自身も退任後は複数の中共企業の顧問を務め、たっぷり顧問報酬を受け取っている。このように中朝利権につながる人物たちがアメリカの安保・国防政策を指揮していたのがクリントン民主党政権であった。この中共マネーの民主党汚染について近頃、共和党ギングリッチ前下院議長は「クリントン政権に関していえば、あの連中は本当に恥知らずな連中というしかない。本当に腐敗した人間たちだった。しかし現ブッシュ政権に関していえば、正直な人間だ。ブッシュは約束を守る。彼は日米同盟の信頼関係を壊すようなことは、絶対にやらない。ブッシュは日本を裏切ったりしない」と日本人記者のインタビューに答えている。



 現在アメリカには、約一万五千人の中国人のロビイストが存在しており、その大半は民主党と太いパイプがある。一例を挙げると、アメリカにおいて政治や経済などの分野で成功し社会的影響力を持つ在米華僑約百人が、一九九〇年に「百人委員会」というロビー組織を結成した。そのメンバーは現在は五百名近い人数に膨らんでいるが、主要メンバーとしては、中国系で初めて州知事になったワシントン州知事ギャラリー・ロック、コロンビア・トライスタ・ピクチャーズ社長のクリス・リー、カリフォルニア大学バークレー校前総長のチャン・R・ティエンなどが名を連ねている。このような中共のロビー組織は大小合わせて全米に無数に存在しているが、一方日本はマトモなロビー組織を持っておらずロビー活動も何も行っていない。なお共和党に対するロビー活動は台湾のロビイストの方が活発なのだが、民主党は伝統的に嫌日傾向と中共よりのスタンスが強く、ヒルズ元通商代表、ヘイグ元国務長官、民主党上院議会の有力者ダイアン・ファインスタインなどは今や完全に中共のエージェントとなっている。


 これらの多くの中共ロビー団体に加えて、現在「米中通商ビジネス評議会」(グリーンバーグAIG保険会長)と「米中通商ビジネス連合」(GM、モービルエクソン等が中心)という二つの圧力団体が、中国市場の参入のために中共重視の政策を取るように民主党を動かしている。さらにクリントン時代に中共は人民解放軍のフロント企業を全米に二千社以上設立し、その各社を通じて地元の民主党議員の懐柔を進めており、ブッシュ政権下でDIA(国防総省情報局)がこれを警戒するレポートを発表している。つまり中共と民主党はもはや切っても切れない「裏のつながり」を構築しており、民主党の本音は「中共十三億人のマーケットをユダヤ資本で独占したい、日本の防衛なんかのためにアメリカが血を流すのはまっぴら御免」といったところなのだ。クリントン政権で国防次官補を務めたジョセフ・ナイは、二〇〇三年九月に朝日新聞で同紙論説主幹と対談し、「私は米中の敵対を信じてきませんでした」「日本に憲法改正の必要はない。むしろ危険です。中国や韓国など近隣諸国に不安を抱かせますから」と述べているが、中共に批判的な産経や読売ではなく中共シンパの朝日で対談するところが、中共と手を組んで対日封じ込めを推進する民主党要人らしい選択である。


 民主党の方針を知るために分かりやすいのは、クリントン政権下における民主党系シンクタンク群のレポートであろう。それらのレポートでは「中国が国際秩序に対する脅威だと主張している保守派の見方は単純すぎる。中国は柔軟性があり、アメリカは中国に的確に友好的にコミットしていくべきである」「もし日本が本気で再軍備を行ったら、二〇二〇年~二〇三〇年までには軍事大国化して、アメリカが唯一の軍事的強国ではなくなってしまうリスクがある。日本の軍事的自立は抑えるべきである」「日本は中国や東南アジアに対して、ドイツを見習って徹底した謝罪を行い、従軍慰安婦その他の戦後賠償を実行するべきである」等々といった趣旨の文言が並んでいる。つまり中共は勿論のこと、日本の左翼が読んだら大喜びしそうな内容に満ちているのだ。



 クリントンは就任後の記者会見で国際経済競争力について述べる中で、世界中のプレスを前に「米国の敵(エネミー)は日本だ」と発言した。アメリカ大統領の口からエネミーという言葉が日本に対して用いられるのは、講和条約発効以来これが初めてである。その言葉どおりクリントンは日本を「防衛タダ乗り」だと非難して、貿易輸入の数値目標を強固に日本に押し付けたが、この時期クリントンの命令でCIAは通産省の電信電話を盗聴していた。これはもうとても同盟国とは呼べない関係だ。一方、一九九五年九月に沖縄で米兵の小学生暴行事件が起こった際、日本の左翼は大々的な反米デモを展開したが、このデモを見た共和党は怒るどころか逆に「クリントン政権は貿易戦争をしかけて反米感情を煽り日米同盟をぶち壊している。民主党は現在の対日政策を転換せよ」と議会で激しく追求している。これは金よりも安全保障を優先させる共和党らしい政治反応である。


 同一九九五年、台湾の李登輝総統のワシントン訪問の査証発行をクリントンは拒否した。日本の外務省じゃないが中共に対して遠慮したのだ。これに対して共和党のギングリッチ下院議長を始め共和党議員の多くが「台湾関係法の趣旨に反する」とクリントンを激しく非難し追求したために、結局クリントンは拒否を撤回して渋々ながら査証を出している。クリントン政権は下院では少数であり、議会は共和党が制していたため、クリントンは逆らえなかったのである。また一九九六年に中共が台湾海峡へミサイルを発射した時にも、当初クリントンはいかなる軍事的アクションを起こすことも拒否した。しかし共和党が空母急派を強く要求し、共和党のC・コックス下院議員が中心となって民主党の一部を説得し、超党派でクリントンを強く責め立てた。下院で多数派であった共和党は「空母を派遣しないならば、下院で大統領の問責決議を行う」と主張し、中共に媚びたいクリントンも淡々ながら空母派遣を命じたのである。共和党と民主党のスタンスをよく知らない台湾人の場合、クリントンに感謝している人もいるようだが、それは大間違いということだ。民主党に台湾防衛の意思は希薄なのだ。


 それに対してブッシュは一九九九年十一月十九日の外交演説で「台湾の自衛力強化を支援する。アメリカは中共の武力侵攻を許さないという、台湾の人々との約束を守る。民主主義体制をとる台湾に北京政府が自分たちのルールを強制する権利はない」と述べており、実際に台湾への軍事協力も増加している。ブッシュ政権は台湾空軍に対して中距離空対空ミサイルAIMー120(アムラーム)の提供を決定しており、共同で実射試射演習を行う計画であることを台湾各紙が報じている。またブッシュは台湾のWHO加盟を支持する法案にも署名しており、中共はこれを「台湾独立へ向けた策謀をブッシュと陳水扁が表裏となって進めている」と批難しているのだ。


 ブッシュが中共に対して「台湾独立を支持しない」と発言を行ったのは、「中共が現在台湾海峡に配備している四百五十基のミサイルを撤去するのであれば」という前提が付随しており、イラクゲリラの抗戦や北朝鮮が片付いていない段階で、万一中共が台湾攻撃に至るとアメリカの手に負えなくなるために予防線を張ったわけである。つまり「イラクと北朝鮮が先だから、台湾問題ではとりあえず中共をなだめて時間稼ぎしておこう」ということなのだ。クリントンが一九九八年に中共に迎合して「三つのNO」(台湾独立不支持、「二つの中国」政策不支持、台湾国連加盟不支持)を安易に口にしてしまったこととは、その根本において全く違うのである。



 パウエル国務長官は「台湾はプロブレムではない。台湾はサクセスストーリーだ」と述べており、共和党のこの基本的スタンスは決して変わらない。だまし合いこそが国際外交であり、その時の状況に応じて表明するコメント内容も「政治的に」変化する。田中真紀子じゃあるまいし、馬鹿正直にホンネを話していればそれは外交ではない。李登輝も元総統も「(台湾独立を支持しないという)ブッシュ発言は戦術にすぎない。戦略的にみれば、長期的に中共は米国の敵に必ずなる。戦略と戦術とは往々にして異なることがある。つまり九・一一テロそしてイラク戦以降、共和党が米中デタントを進めたように見えるのも、敢くまでも戦術であり、アルカーイだ、イラク、北朝鮮との対決を優先するために、中共が安保理などでやたらアメリカに反対しないようにおとなしくしていてもらおうというリップサービスなのだ。


 二〇〇一年五月二十一日、ブッシュは陳水扁台湾総統の訪米を即諾しており、陳水扁は共和党首脳との会談を行っている。さらにその二日後の五月二十三日、中共のチベット支配から満五十周年となるこの日に、ブッシュはダライ・ラマと公式会見を行った。陳水扁とダライ・ラマという中共が最も敵視する人物がワシントンを公式に訪れたことについて、江沢民は「民主党政権ならば、こんなことにならなかった」と側近に対して激しくブッシュを罵ったとのことである。中共からの献金をたっぷり受け取っているゴアが大統領だったならば、台湾やチベットの元首と会うことはなかったであろうということだ。



 さて両党の違いは中共や台湾へのスタンスのみならず、対外経済政策においても際立った差を示している。一九九八年七月、ロシアの金融危機に際してクリントンは、日本政府に「ロシアに十五億ドルの援助をせよ」と要求し、北方領土問題もあって対露援助を渋る日本に「日本を守ってやっているのは米国だということを忘れるな」と恫喝した。日本に対露援助を要求したその目的は、日本の金融支援で時間をかせいで暴落前にアメリカ金融資本を引き上げ、暴落の損失を日本だけに押しつけることにあった。この対日姿勢こそ民主党政権が日本をどのように位置づけているかを如実に示すものである。



 ちなみに一九九七年のアジア金融危機を仕組んでASEAN経済を潰してその台頭を阻止したのも、クリントン政権であり、その「共犯者」はジョージ・ソロスである。しかし共和党は、クリントンやルービン財務長官そしてソロスを猛烈に批判し、当時テキサス州知事であったブッシュも「IMFと世界銀行は間違っている」と明言している。共和党系シンクタンクのヘリテージ財団は一九九五年に世界銀行不要論を提唱しており、反マルクス主義の思想が強い共和党は民主党よりも自由主義経済志向の度合いが高く、アメリカの都合だけで他国に金融危機を仕組むのは自由競争原理に反するとという考えなのだ。ちなみにブッシュ政権の財務次官に就任したJ・テイラーも、一九九八年にテレビインタビューで「IMFは廃止されるべき」と述べているが、共和党からみれば、民主党の支持基盤たるユダヤ金融資本が儲けるための道具でしかないIMFなんて不要だということだ。つまりブッシュはバーチャル金融経済のグローバル化にたいしても「宣戦布告」したのである。そのためブッシュに再三批判されてきたソロスは「打倒ブッシュ」を宣言して民主党ケリー候補への資金援助を行っている。ソロスはクリントン同様にかつて「日本は(経済戦争の)交戦相手だ」と述べたこともある人物で、クリントン政権の経済面でのジャパン・バッシングを操作した黒幕でもある。


 この民主党政権時代に比べると、共和党ブッシュ政権に交替してからの米国が、日本に対して強圧的な経済圧力をかけたことが一度でもあったであろうか。ブッシュ父にしても日本のマスコミに「セールスマン」と皮肉られたが、高圧的な姿勢を示したことはない。現に米国の狂牛病発生に伴う輸入停止についても、ブッシュ政権は輸入再開を頼んでも圧力をかけてはいない。北朝鮮からの防衛や被拉致日本人奪還への協力といったカードを使って日本に輸入再開のバーター交渉することは可能であり、クリントンならばそうしたであろうが、ブッシュはそれをしない。それは「経済と安保は別だ」という共和党の信念、そして他国への交渉・外圧を嫌うアイソレーショニズム(反グローバリズム)の党是に基づく。つまり、経済などで日米の関係が悪化するのは、ほとんど民主党政権の時なのだ。



 クリントン政権のミッキ・カンター通商代表は「これまでタダで日本を守ってやった分の報酬を請求しようではないか」と演説したことがある人物だが、このカンターとクリントンとルービン財務長官の協議により「日本に外交圧力をかけて貿易赤字を減らすための指令塔」という位置付けでNEC(ナショナル・エコノミック・カウンシル)が創設されている。しかし共和党はこのNECの創設にも強く反対しており、その急先鋒の一人がブッシュだった。また一九八八年に民主党のゲッパート下院議員がいわゆる「ゲッパート修正法案」を提出し、日本を標的としての「対米輸出が米国からの輸出の五十五%を超える国に対しては二十五%の課徴関税をかける」という法案を当時議会多数派の民主党の強行採決で導入しているが、クリントン政権が頻繁に発動した包括貿易法「スーパー三〇一条」は同ゲッパート法案を具現化したものである。一方ブッシュ政権は二〇〇二年にこの「スーパー三〇一条」は期限切れだと声明し、日本に対してこのような外圧を加えない旨を対日方針の基本に位置付けた。日本経済に薄陽が射しこみ始めたのは、ひとえに共和党政権発足に由来する要素が大きい。



 しかし現在、ジョン・ケリーはその政策表明演説の中でこの「スーパー三〇一条の復活」を唱え、「日本は為替相場を不当操作しており、市場も閉鎖的」だとして、「もし当選すれば、現在の(日米)二国間貿易協定全てを百二十日間凍結して見直し、真に米国の利益に役立つ協定だけを更新する」と宣言している。つまりケリーは再び「米国の敵(エネミー)は日本だ」と対日経済戦争再開を予告しているのである。「ケリー議員の日本への言及が経済面での非難に限られている点は、ブッシュ政権が対テロ戦争やイラク復興での日本の協力に謝辞を述べ続けるのときわめて対照的となった。(小略)日本に対しこうした経済や貿易だけをみて、しかも協力者というよりは対抗者、競争者とみなし、厳しい非難や批判を浴びせるのは、一九九三年に登場したクリントン政権の姿勢とも酷似している。その一方、ケリー陣営は日本との同盟関係の現在や将来のあり方にはなにも言及せず、目前の経済関係だけをみて、安保などの協調面は論じていない」(産経新聞)ということである。ケリーは「ブッシュ政権は日本を甘やかしており、日本が自国通貨の相場を不当に操作して低く保っているのは放置している。私は日本を甘やかさない」とも演説で述べており、このように民主党は過去もずっと日本を力で抑えつけてきたし、これからも日本を力で抑えつけようとしているのだ。この民主党の手法について、ブッシュ政権の経済担当大統領補佐官であるR・リンゼーは「アジア太平洋地域の関係は、クリントン政権のジャパン・パッシング政策によって根底から阻害された。クリントン時代の米日関係は、外圧という一語に集約される。そうした外圧手法による依存が米日間に混乱をもたらし、両国関係改善に不可欠な創造的志向を阻んできた。外圧に代わる米日相互の協力と尊重の政策が必要不可欠だ」とクリントン政権を非難している。共和党と民主党がそれぞれ対日方針の中心に何を据えているのか、ブッシュやレーガン、そしてクリントンやケリーの対日政策を並べてみれば、その違いは歴然としている。


 アメリカに投資された日本の金融資産を円高で溶かしてしまうシナリオを作成したのもIIE(国際経済研究所)という民主党系のシンクタンクである。IIEはユダヤ系財界人らが民主党政権を通じて世界の為替と金融システムを監視し対抗策を練るために創設されたものだが、その第一の標的は日本に他ならなかった。クリントン政権のルービン財務長官は、橋本政権に対して日本金融市場開放、いわゆる「金融ビッグバン」を強固に要求し、その結果として山一證券はメリルリンチに、東邦生命はGEキャピタルに、長銀はゴールドマンサックスの仲介によってリップルウッド・ホールディングに、それぞれ米資本の手中に陥ちた。ちなみに長銀の不良債権処理によってリップルウッド・ホールディングには日本の国費から約八兆円が投入され、その内の約三兆二百億円は国民負担となっていて戻ってこないのだが、リップルウッド・ホールディングは長銀の営業権を僅か十億円で買い、さらに第三者割当増資の一千二百億円を加えて加えて合計一千二百十億円の金で長銀をその手中に収めている。日本国民が自腹を切らされた三兆二百億円(赤ん坊まで含めて日本国民全員が一人あたり二万円弱の負担)を含め八兆円もの国費を注ぎこんだ長銀は、その百分の一近くの二束三文の金で米資本になってしまったのだ。しかもクリントン政権の圧力で「旧長銀から継承した貸出資金の実質価値が三年以内に二割減少した場合は、日本国が薄価で買い取る」という信じ難い不平等な契約まで結ばれている。こんな条件で経営が失敗することは有り得ず、長銀を新生銀行として上場させることでリップルウッドは巨額の利益を手にしている。つまり日本国、日本企業、そして日本国民はとことん骨までしゃぶり尽くされたということだ。


 このルービンは元々ゴールドマンサックスの会長であり、財務長官退任後はリップルウッド・ホールディングの役員に就任している。またそもそもルービンが財務長官に就任したのか、一九九二年の大統領選でゴールドマンサックスが民主党陣営の莫大な資金提供を取りまとめした見返りからだ。ゴールドマンサックスは長銀で儲けた金を中共の企業(半導体メーカーのSMIC、平安保険)に投資している。つまり日本人の税金が結局そのまま中共資本に化けたのだが、これを仲介したのもルービンだ。つまり現在も日本企業を食い荒らしている外資の正体なるものは、民主党と太いパイプを持つユダヤ資本だということである。


 加えてクリントンは米国に進出した日本企業を徹底的に叩くために、その任期内に様々な「いじめ」を行っている。その実例を少し紹介しよう。一九九六年、クリントン政権下の政府機関であるEEOC(雇用機会均等委員会)は、米国三菱自動車に対してセクハラ賠償訴訟を起こした。EEOCは同社の女性従業員に対して「訴訟すれば一人最高三十万ドル、総額二億ドルの金が得られる」とPRして被害者を「募集」しており、日本の左翼団体が韓国でやった慰安婦募集と何やら酷似した手口だが、このように最初から同社を叩くために捏造されたセクハラ訴訟だったのである。しかしアメリカにも正直な善意の人々はやはり存在する訳で、同社従業員の半分に相当する約二千五百人の社員が「我が社にセクハラは存在しない」と主張してEEOCへ大々的な抗議デモを行った。ちなみにこの時、日本の外務省や通産省は何をしたのだろうか。実は何もしなかったのだ。それどころかセクハラ問題は左翼の得意分野だとばかりに、朝日新聞は「セクハラは実在した」と決めつける報道を行っている。自国企業を助けようともしない日本政府、そして逆にバッシングに回る日本のマスコミに愛想をつかした米国三菱自動車は、二億ドルもの供託を回避するために泣く泣く三千四百万ドルを支払う和解に応じざるを得なくなった。ところがこれに味をしめたEEOCは、なんとその三ヵ月後に今度は「三菱の採用試験に落ちた者の中に腰痛や喘息の患者がいたことは採用差別だ」と訴えて、同社からさらに三百万ドルの和解金を取り上げている。




(続く)








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