灰谷健次郎の作品は、幼い頃よく読んだ。

母の薦めがあったからだ。

東京生まれの母であったが、

“戦争は起こしてはならない”との想いが常に人一倍強かった。

そのためか、

戦争に纏わる本はよく薦められた。


中でも

ガラスのうさぎ/武部 本一郎 

兎の眼/灰谷 健次郎
太陽の子/灰谷 健次郎  は何度も読みました。

(子どもだったので、強制に思えたが)

唯一の被爆国であり、戦争を語ることが出来る民族が日本人だけなので、

やはり、読ませたかったのか。祖父の影響か。

母にたまに聞くが、

“さぁ~どうだったかしら?”と、いつもはぐらかされる。


灰谷健次郎作品の主人公は、 

影がある過去を持ちながらも、懸命に強く生きようとする人が多い。

誰もが持つ心の暖かさを文章にしていく人。

そのため、共感できる。笑ったり、泣いたり、頷いたり・・・。

また、元小学校の教師だったこともあり、

常に、子どもの味方である。


1997年に神戸連続殺傷事件があった際も

加害者少年の顔を公表したことを抗議していました。そして、執筆を拒否した。

(のちに、角川の編集者に作品を託すことになる)

被害者にも、加害者にも人権はあるべきであろうと。

作家が執筆拒否など滅多に無い。


そこまでしても、子どもを守る。

それが彼の生き方にも通じる潔さ なのである。


また沖縄をこよなく愛する作家でもあった。


太陽の子/灰谷 健次郎

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主人公の“ふうちゃん”は神戸出身、お父さんは沖縄出身。

ある時、お父さんは「心の病気」にかかってまう。

病気の原因には「沖縄・戦争」が関係しているようだった・・・


子どもの目線から書かれていますが、

大人向けでもいい内容。

ふうちゃんと両親、近所の楽しい関係、キヨシ君との会話、

どの場面も印象的です。


本当の悲しみや辛さを知った人間だけが、真の優しい心を持っている・・・


これまでの自分の生き方を考えさせられました。

せんせいけらいになれ/灰谷 健次郎
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兎の眼/灰谷 健次郎
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新卒・小谷先生の生徒、鉄三君は一言も喋らず、心を開かなかった。


職員室のヤクザ風足立先生、鉄三君の祖父バクじいさん、クラスメイトの気持ち、

小谷先生の奮闘も楽しい。


どんなに月日が流れようと、

大切な教育の要は、決して変わらないと信じています。


真の教育とは、この本に書かれているのかもしれません。

教育に対する作者の愛情が伝わります。


全ての先生が、この本を読んだら「いじめ」は必ずなくなるとも思いました。



少女の器/灰谷 健次郎
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風の耳朶/灰谷 健次郎
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海になみだはいらない/灰谷 健次郎
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子どもへの恋文/灰谷 健次郎
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