(質問)

かなり前の話ですが、霊界の友人から「人のため」の意味を常識的な解釈とは逆に考えないといけないと言われてはっと目が覚めました。人のために役立つことをしている時はその相手の人からそういうチャンスを与えてもらっているのだ考えるようになりました

 

(シルバーバーチ)

「まさにその通りですよ。その人のおかげで自分の霊性を発揮することが出来るのです。自己達成とは霊性の開発のことです。そしてその開発は人のために役立つことをこそ成就されるのです。

 

そこに物理的法則と霊的法則の違いがあります。霊的な富は他人に分け与えるほどますます豊かになるのです。進化・成長・進歩といったものは自分を忘れて他人のために役立つことをすることから得られるのです。尤も相手にそれを受け入れる用意がないけど無駄になりますが…」

 

シルバーバーチの新たなる啓示

 

 

 

これはまさにその通りで、地上には解決すべき様々な問題が山積みです。不幸、悲嘆、苦しみは数え切れないほど地上に存在しますが、逆に言えば自分が成長するチャンスが数え切れないほど存在しているということでもあります。

 

 

例えばボランティアでゴミ拾いをしたとしましょう。街を歩けばタバコの吸い殻や空き缶など色々なゴミが落ちていますが、それらの多くは意図的にポイ捨てするモラルの低い人がいるからです。

 

それを無償で綺麗に掃除することは、自分の時間や労力を犠牲にして世の中のために役立つこと=霊性の向上を意味しています。

 

 

街を平気で汚す人は「自分さえ良ければ良い」という利己的な考えがあるので、自分とは関係ない場所であればゴミをポイ捨てして汚す行為に出るわけですが、ゴミ拾いのボランティアは「なぜこんなに平気で道端にゴミを捨てられるんだ?」「モラルの低いヤツが多くて嫌だ」「ポイ捨てするヤツがいなければ街は綺麗になるのに」、という風に考えるかもしれません。

 

 

これは逆に考えれば「ボランティアでゴミ拾いをすること=自分の時間や労力を犠牲にして他人のために尽くす=霊性向上」なので、利己的な態度からポイ捨てするモラルの低い人がいるからこそ、自己犠牲による霊性向上のチャンスが生まれているということになります。

 

もし地上人のモラルが向上し、ポイ捨てをするようなモラルやマナーの欠如した低級な人間がいなくなれば、少なくともボランティアでごみ拾いをするという自己犠牲によって人のために役立つというチャンスは消滅します。

 

つまり自分を役立てるチャンス、霊性を向上させるチャンスが1つ減るわけで人のために役立つことをしているつもりが、実は自分自身の霊性の向上のためでもあるわけです。

 

 

地上にはゴミのポイ捨てどころか、もっと陰惨極まる不幸が山のように溢れています。それ見てを「地球はまるで地獄のようだ」と嘆くのか「地球は自分を役に立てるチャンスが山ほどある宝の山のような場所だ」と喜ぶのかは、その人の霊性の進歩具合次第です。

 

地球が地上天国であればシルバーバーチは地上に戻っても自分を役立てるチャンスがないわけですから、少なくともシルバーバーチの霊訓などで述べられている意味では戻ってこなかったでしょう。おそらく別の星に行っていたはずです。

 

 

イエスは地上人に隣人愛を始めとする無条件の愛を説くために地球に来ましたが、もし既に地球人がそれを成就する段階に達していたならイエスも地球には来ず別の星に行っていたはずです。自分を役立てるチャンスや助けるべき人間がいなければ、そこに出向く必要はないわけで、けが人や病人がゼロなら医者は不要の存在というわけです。

 

 

嘆かわしいほどの霊に対する無知、利己と唯物主義や拝金主義を至上とする思想こそが最高に価値あるものとされる地球は言うまでもなく問題だらけで不幸や悲嘆や苦しみの温床ですが、逆に言えばお宝だらけでもあるわけです。

 

 

どんな小さいなことでも構いません。自分の時間やお金を犠牲にしてでも人助けのチャンスがあるなら、それは自分が損をするように思えるかもしれませんが、善霊たち、高級霊たちは常に人間がそれを行うことを後押しします。

 

一時的に本人が損を被ることがあっても、自分のお金や時間を犠牲にして善意から人助けを行った人間には必ず後で神様から埋め合わせがあります。埋め合わせとは言いますが、自分が損をした以上のものが必ず与えられます。

 

 

「そんなのわからないじゃないか」と言う人は、因果応報、因果律、カルマ、原因と結果の法則、etc…、言い方は何でも良いですが、「自分で蒔いた種を自分が刈り取らなければならない」という厳然たる法則を信じていない人間です。

 

 

良いことをしても、悪いことをしても報いがない。良いことをしても何も得られないし、悪いことをしても自分だけは逃げ切ることが出来ると信じている人間です。

 

 

地上人の多くには信じられないことかもしれませんが、それが良い悪いに関係なく自分で蒔いた種は自分が刈り取らなければならないのです。

これが本当の意味で理解出来れば地上から他人に不親切にする人、他人から搾取する人、他人を不幸にする人は消えるでしょう。口先ではわかっていると言う人は多いですが、わかっていないから地球が今のようになっているのです。

 

 

自己犠牲と言ってもイエスのように十字架に掛けられて死ぬという大げさな意味ではなく、自分の時間、お金、地位、名誉、世間的な評判、つまり自分にとって価値あるものを犠牲にするという意味です。

 

 

ひふみ神示にも「他のために行ぜよ。神は無理は申さん。初めは子のためでもよい。親のためでもよい。自分以外の者のために、まず行ぜよ。奉仕せよ。嬉し嬉しの光さしそめるぞ。」とありますが、善行を積めば本人が要らないと言っても良い報いがあり、悪行も本人が逃れたいと言ってもやはり報いがあります。

 

 

この法則は私が知る限り、自動で機械的に、まるで重力のように働いています。高位の神にはある程度まで、法則の範囲内でこれに干渉できるようですが、「神もふとまにには従わねばならん」とあるように、法則そのものは絶対です。

 

 

ちょっぴり前借りしたり、後払いしたり、解釈を変えたり出来る程度で、因果応報は絶対です。少なくとも私の知る限りはそうです。シルバーバーチは霊界で自分は神から不当な扱いを受けたという人と会ったことがない(因果応報が正しく機能していないという人と会ったことがない)と述べていますが、私も未だに一人も会ったことがありませんし、自分の人生でも全くそのように感じていません。

 

 

驚異的に完璧に完全に天秤が釣り合っており、この点において全知全能の偉大さに驚嘆し、また有り難くもあり、恐ろしくもあります。地上人がそう思わないのは人生は肉体が滅びたら終わりと決めて掛かっているからで、永遠に続く生前と死後の生命において見れば、必ず何処で帳面が精算されます。帳面が精算せずに済むと思っているのは人間だけです。

 

 

 

善行、悪行もそうですが、自分のしていることが(自分の蒔いた種を)、自分に返ってくる(自分で刈り取る)というのは、日常生活のすべてにも現れます。

例えば他人の家にお邪魔した時、普通に考えてその家が散らかっていたら少なくともその人のことを立派な人間だと思わないでしょう。前回の記事で家というもの意味をご紹介しましたが、神から与えられた衣食住や金銭や物品や体を大切に扱うことは、すなわち逆に自分が大切に扱われるということでもあります。

 

自分の家の掃除もろくに出来ないくせに、地上を救うみたいなことを言っている人がいますが、日常生活に霊的な教えが全く活かされていないのであれば、無意味とまでは言いませんが、霊的なことが単なる観念や思想上の玩具になっていることを意味し、実用のレベルに達していないことになります。

 

 

最初は些細なことかもしれませんが、目の前にある自分に出来ることを1つ1つやっていくしかありません。因果律は絶対ですし、全知全能も絶対です。

 

 

ゴミ拾いのボランティアからイエスのような自己犠牲まで、自分を犠牲にしてまで他人の役に立とうとしている人がいれば、その人は霊性向上のチャンスを得ているのであり、地上に蔓延る不幸や悲嘆や苦しみは、不謹慎かもしれませんが、自分の進歩向上の種、幸福になるためのチャンスが転がっていると見るべきです。

 

 

シルバーバーチ風に言うなら「そのおかげで自分の霊性を発揮することが出来るのです」ということになります。不幸溢れる地上は地球人にとって霊性向上のチャンスの塊であり、奉仕は霊の貨幣と言いますが、そこら中どこを見渡しても金の落ちているある意味では理想郷のようなところです。

 

自分を他のために役立てることこそが、自分の肉体が滅び、地上における金も名誉も地位もすべてが滅んだ死後にまで残る宝です。イエスは人間は腐ってしまう宝を地上に積むよりは善行を行って天国に宝を積むべきと述べていますが、まさにその通りでこれを行えば地上生活はより良いものになり、死後の世界での生活もより良いものになっていきます。

 

 

逆を行えば因果応報によって、地上生活はより地獄的になり死後の生活も地獄的なものが待っています。

 

 

因果応報を信じていない人間が地上にはあまりにも多すぎますが、これは自分が得心するまで徹底的に試すしかありません。人類全体のレベルとしては今まさに試しているところであり、段々と因果応報があることを知る人間が増えれば増えるほど、不幸の種を蒔く人間が減り、幸福の種を蒔く人間が増えて、地上が良くなっていくはずです。