良い流れは強引に引き寄せるものだ、のお。。 | KUROKO’S HOUSE

KUROKO’S HOUSE

私クロコが描いてはつぶやき
つぶやいては描き
それだけです( ´∀` )

 

営業の仕事をしていると

ときに飴玉が降ってくることがある。

 

 

初回提案のしょっぱな。

アポ時間通りに現れた若い社員さん。

 

 

 

まだ、あどけなさの残る彼は

こちらの話を

真顔でじっと聞いていた。

 

終始無表情だったため

渾身の提案が刺さっているのか

まったくダメなのか読み取りづらい。

 

この営業先では

アポ時間通りに現れた御方というのは

9割がた成約に至っている。

だから

ぴたり時間通りに現れた彼にも期待したのだが。

 

真顔真顔真顔

 

とりあえず

提案した商品は、

すでに彼のご両親が加入済かも

しれない、とおっしゃるので

そのあたりを確認してから

詳しくお話させてくださいね、と伝えて

その日の面談は終了。

 

帰り際に、時間を頂戴したお礼にと

ウケ狙いの駄菓子を入れた袋を差し出し

お好きなだけどうぞ、と言ったら

 

「じゃあ、袋ごと」と

ここへきて笑顔を見せる。

なんだ笑いちょっと猫かぶってただけ?

 

 

真顔真顔真顔

 

見込み度3段階のBくらい、とメモ。

 

その翌週。

ほかのアポのために待機していると

件の彼が目の前を通り過ぎようとしている。

 

お?ナイスなタイミングOK

 

名前を呼んで引き留めて

「検討してくださいましたか?」と尋ねると

笑顔を見せながら

「あ、あれですよね、ちょっと

迷ってるんですよ」と言う。

 

迷ってるとまで言わせたらもうこっちのもの。

 

「あ、迷ってるなら決めて差し上げます笑い

「来週いつ空いてます?」

すかさずアポ取り。

 

真顔真顔真顔真顔

 

そんな経緯からの今日。

彼は

予定時間をわずかに過ぎた頃

全力疾走で息を切らしながら登場。

 

はあはあ言いながら遅れたことを

詫びる彼をみて、ふんわり良い予感。

 

改めて提案をしながら

彼のご両親が加入しているという

商品の内容について

尋ねるも

いまいち把握できなかったという。

 

ただ、内容については

わたしが提案したソレと似たようなもので

ふたつも同じものはいらないかな、と

おっしゃる。

 

真顔真顔

 

ああ、いい予感はあてにはならないなあ、と

ちょっと落胆しつつも

ならば仕方がないか、と

話を続けていると

 

「ただ、まあ、両親は、あなたがあなたで

考えて加入するならそれもいいんじゃないの」

と話していた、という。

 

ん?

話の向きがよくなってきたぞ。

 

初対面の無表情はどこへやら

目の前にいるのは朗らかで饒舌な気のいい

若者だ。

 

真顔真顔

 

そこで

思いついたままにキメ台詞を吐いてみた。

 

「ご両親には

 

いままでありがとう。

こっから自分でやってくから

いま、そっちで入ってくれてるのは

好きにしてくれていいよ、って

言っちゃうってのはどう?」

 

。。。。

 

数秒の間。

真顔に戻った彼。

 

あれ?やっちゃった?

 

。。。。と

口を開いた彼。

 

「う。。それ、、かっけーっすね」

 

。。。

だい。。大成功?笑い

 

 

真顔真顔真顔

 

そんな訳で

そこからとんとんとんとん話は進み。

一転して

ご成約に至った。

 

真顔真顔真顔

 

 

お断りっぽい言葉を口にしたからといって

その先がどうなるかなんて

最後の最後までわからないという

まるで教科書みたいな流れとなった。

 

提案からお手続き終了まで2時間ほど。

その間に

いろんな話をして

お互いの共通点をいくつか発見しては

笑い、共感し、

なんともこころ温まるときを過ごした。

 

真顔真顔

 

お渡しする書類のなかに

名刺を差し込もうとすると

「あ、名刺もうもらってますよ」と言う。

 

「いいんです。記念なので。

このさき〇〇さんの担当は

ずっとわたしです、の印なんです、これは」

というと

もうすっかり打ち解けた笑顔になる。

 

真顔真顔

 

帰り道。

成績がとれた達成感もさることながら

それ以外の飴玉みたいなものを

もらった感に満たされて

長い道のりを走った。

 

 

数々成約のお手続きをしたけれど

今回のはきっと

ずっと忘れない。

 

そうして明日はお休み。

さいこーだ上差し