愉快な社長シリーズの後日談です。
 
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【登場人物】
 土井さん  社長
 三島さん  専務
 片山さん  部長・元某大手通信会社部長
 宮川君   営業マンからの転職
 畑野君   弱電技術者からの転職
 小林君   自宅の商店のお手伝いからの転職
 金田君   奥さんの実家稼業からの転職
 藤原君   引きこもりからの脱出
 
M社 .. N社案件の窓口になってくれている会社。
 宇和さん  M社部長
 
 
※2009年~2010年の出来事です。
※登場人物の名前、会社名などは全て仮名です。実際の名前とは異なります。
 
 
会社を辞めて、全てが解決と言う訳ではない。

給料の未払い分を取り返さねば..

 
もう一度労基に行き、未払い賃金に関する相談。
 
以前にも相談に行っているので、勝手は分かっている。
今回は一応、証拠の品々も持ち込む。
 
僕が労基に持ち込んだ、未払いの証拠は、
 
・退職月を含む、過去半年分の給料明細
 ※お金は振り込まれていませんでしたが、明細は出ていました。
・給与振込口座の通帳と、そのコピー
 ※相談に行く前に、1000円ほど入金してから記帳。
・退職月を含む、過去半年分のタイムカードのコピー
 ※怪しくなり始めてから、コソコソと、コピーを取っていました。
・社長や三島さんに、支払い交渉をした時の記録
 
今にして思えば、ボイスレコーダーがあると、尚良かったように思う。
 
 
そして、初回の相談から今回までで、労基で言われた事は..
 
・従業員数名の、1回や2回の相談で、監督署が動く事は難しい。
 全員や大多数の社員からの申し出があるとか、悪質と判断できる
 何かが無いと、実質的には動けない。
 
・監督署は、未払い賃金に関して、指導はできるけど、法的拘束力はない。
 会社が『無い袖は振れない』と言われると、それ以上どうにもできない。
 
・監督署が指導に入った会社には、それなりのペナルティがある。
 - 会社名が公表される
 - 職安に求人が出せなくなる
 いずれも大した影響力はなく、このペナルティを恐れる会社は少ない。
 
・相談に来た履歴は、相談内容と共に一定期間保管され、
 裁判などの際に、証拠として提出できる。
 
・会社から「相談した人は誰か教えろ」と言われても、
 相談に来た人の氏名や内容を、会社に伝える事は無い。
 
・一足飛びで裁判ではなく、“あっせん”という労働紛争解決制度があり、
 そちらで調停を行う方法もある。
 “あっせん”での決定事項は、裁判所での判決と同様に、法的拘束力がある。
 
・一足飛びに裁判や調停に持ち込むより、口頭や書面など、
 段階を追って請求した方が、何かと良い。
 
など..
要は、
 
・労基としては指導に入り調査もするけど、
 「ちゃんと払ってね」
 としか言えず、従うか従わないかは経営者次第。
 
・きっちり払ってもらいたければ、個別に会社と協議する必要がある。
 その為には、段階を追って請求した方が、何かと有利になる。
 
と言う事らしい。
 
労働基準監督署と言えば、もっと絶大な力があり、
どの会社からも恐れられる存在だと思っていたけど、
そうではないらしい。
 
でもこれで、何度か労基に相談にも行ったとの記録が残り、
何かあった時に使える証拠が増えた。
 
 
続いて、宣戦布告の準備。
 
在職時、口頭やメールで「給料払ってください」と、何度かお願いしている。
今度はそれとは違い、正式な書面での請求。
 
配達証明だけでも効力があるけど、より本気度を示すため、
内容証明で送る事にした。
 
この書面での請求は、相手が読む・読まないは関係ない。
受け取り拒否しても関係ない。
“届いた”事に意味がある。
 
内容証明にしたのは、より本気度を示すためと、社長の改ざん防止。
同じ物が郵便局にも保管されるので、幾ら社長が「内容が違う」と
言った所で関係ない。
 
 
内容証明郵便は、1行の文字数や、1枚の行数の制限があるなど、
色々とお作法がある。
 
そのお作法に則り、文章を作成。
 
そもそも、内容証明郵便がお高いのに、1部が複数枚に及ぶと、
枚数に応じて金額が上がるので、1枚に収まるように書き、
同じ文章を3部作製する。
 
3か月分の給料全額と延滞損害金を、指定の日までに
指定口座に振り込むよう記載。
振り込まれない場合、法的手段に出る事も記載。
 
延滞損害金は、正直期待していない。
社長がゴネ始めた時の交渉材料として書いた。
 
利率は忘れましたが、当時の最大利率で計算したように思います。
 
これで準備万端!
 
 
 
締め日が過ぎ、離職票が届くまでの数日は、大人しくする。
 
そして数日後、待ちに待った離職票が届いた。
 
喜び勇んで内容を確認すると、離職理由が“懲戒解雇”になっている。
 
話しが違う..
 
あの時社長が言っていた「三島さん、後で話そう」は、
こういう事だったのか。
 
 
早速、職安に行き、異議申し立て。
 
給料が未払いであったと証明できるものを見せつつ、
退職の時の様子など、職員さんに訴える。
 
後日、会社側が異議を認め、こちらの思う形になったので、

さっそく失業給申請を行う。

 
未払い賃金請求が、失業給付額に影響しない事も確認できた。
 
よし。
 
 
失業給付申請を行った帰り、郵便局に寄り、内容証明の手続きをする。
 
書いた文書を提出。
局員さん2名(3名だったかな?)で、文書をチェック。
書式に問題なし。
その後僕も加わり、記載内容の確認。
そして、封入。
 
3部のうち、1部は僕、1部は郵便局が保管。
そして1部が、会社に向けて発送された。
 
 
さあ社長、どうしますか?
 
素直に応じてくれるもよし、無視するもよし。
 
さて、どう出る?
 
 
続く
 
 
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