これまでのあらすじ
別れ話をするつもりだったのに
プロポーズを受けることになりました
もぐらが、指輪をくれました
ちょっとだけはめてみてもいいですか…?
ちょっとと言わず着けてくださいよ
恐る恐る指輪を台座から手に取ると、その指輪はどのサイズの指にでもつけられるように輪の下側が切れていて
重ね合わせた左右のリングの足に私ともぐらのイニシャルの刻印の入ったチップがついた飾りどめがついていました
この飾りどめをスライドさせることで輪のサイズを調整できるようになっているようです
へ〜、こんな便利なものがあるんだなあ〜!
これなら確かに指輪のサイズ知らなくても指輪を選ぶことができますね
今日は別れ話のつもりで来ていたので
ネイルをする気にもなれず、お手入れ不足でカサカサだった私の手に
生まれて初めて装着されたダイヤモンドの指輪は、どう見たって豚に真珠状態でしたが
素直にとっても綺麗だと思いました
いろんな複雑な思いがあったけど、ほかでも無いもぐらが私のために選んで準備してくれたなんて嬉しいに決まってる…
いつになくほんわかと和やかな空気になり、安らかな気持ちで会話をしていたのですが…
急に胃がぎゅーっと痛んで来ました
えっなに??
痛いしなんか吐きそう…!?
そういえば私は、なかなか本題に入らなすぎてこのラウンジにきてからすでに空腹のままコーヒーブラックを4杯は飲んでいたのでした…
別れ話をいつ切り出されるかのストレスと、一転してプロポーズをされたことで安心しすぎたギャップなのか、また胃にストレスがかかって、こみ上げてくる吐き気を抑えられなくなってしまいました
すみません!ちょっとトイレ行ってきます!!
慌ててつけていた指輪をケースに戻してトイレへ向かいました
いや〜…私の予想ではプロポーズされた時って嬉し涙とかでハッピーな感じになるんだと思っていたけど
まさかの嘔吐…
コーヒーの飲み過ぎもいけなかったけど、この展開の極端さは心臓と体に悪いな…
その後、指輪は大事にしまい(きちんと手のケアして綺麗な状態でつけたいと思って…!)
一緒に最寄りの地下鉄駅まで歩きながら、
それぞれの仲人さんに今月末で成婚退会をすると報告しようと決めました
もぐらはすごく嬉しそうで
…ゼクシイ帰りに買おうかな…
えーっ、私も買ってみたかったんですよ、私も買おうかな
二冊はいらなく無いですか…?
あ…それもそうですよね…
近々一緒に買いましょうか
…今思えば、この時のもぐらが一番私への気持ちを見せてくれていたなと思います
まさかこの辺が幸せのピークになるとは思ってもみませんでしたね…
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