これまでのあらすじ
心機一転結婚に向けて前向きに向き合っていこうと話し合ったもぐらとkorori
久しぶりのデートは奮発してホテルラウンジのアフターヌーンティーでとても楽しく過ごしていたと思ったら…
もぐらが口にしたのは
成婚退会は難しいと思うんです
でした…!!
てっきり一つまた仲良くなれたと思っていた私はもぐらの言葉を一瞬理解できなくて黙ってしまいました
それきり黙るもぐらと、驚いて言葉の見つからない私の沈黙…
それはどういう意味でしょうか…
振り絞るように声を出して聞きました
今日はもう4月の中旬だからです
??
結婚相談所の規則として、交際から半年以内に退会という前提があり、その期限が来週に迫っているのにまだお互い気持ちが固まっていないから、成婚は難しいのではと考えているのです
な…なるほど…
もぐらは仮交際から真剣交際に移る時もそうだったのですが、結婚相談所の仲人さんのアドバイスや規則をきっちり守るタイプの人でした
そういえば確かに、来週でお見合いをしてから半年を迎えようとしていました
通常であればそこを期限として成婚退会を検討する所です
先日話し合った通り、ここから結婚に向けての話し合いを前向きに重ねていけたらと思っていました
確かに期限が来るのはその通りですが、私の仲人さんはお互いが納得の上であれば多少の会員期間の延長は可能だと以前言っていました
もぐらさんの相談所の仲人さんはきっちり半年で答えを出さないといけないとおっしゃってるんですか?延長は絶対に難しいとのことなのでしょうか…
実際、私の相談所の別の会員さんは、お互いをよく知ってから成婚に向かいたいという理由でお互いの相談所から了承を得た上で、じっくりと一年近く交際してから成婚退会をしたらしいと仲人さんから聞いていました
私の仲人さんは、もちろん規則は規則だけどお互いの気持ちが一番大事だから、物事は柔軟に…というタイプでした
私も、今回はかなり遅れてやっと具体的な深い話ができるような仲になれたので、もぐらも交際期間を1.2ヶ月の延長前提するつもりでいるのだと思っていました
もぐらは言いました
延長は考えていません
なぜなら半年というのが相談所の規則としてあるからです
僕自身も、半年を超えても気持ちが固まらないなら交際延長しても無駄だと思うのです
そうなんだ…
…でも、私はもぐらさんをとても良いなと思っていて、先日深い話ができたことは未来が見えたようでとても嬉しかったんです
関係が温まってきたと思っていたのは私だけだったのでしょうか?
それは…僕もそうですが…
そういってもぐらはまた黙りこくってしまいました
私はもぐらに好意が芽生えていましたし、でもまだ私たちは成婚を決めるにはまだ色々足りていないとも思っていました
せっかくのご縁でここまで会ってきたのに、期限だからという理由だけで終わりにするのは嫌だなと思っていました
でももぐらはそうではなかったのかな…
もぐらは半年以内にまとまらなければならないというけど、私たちはお互いに気持ちをまとめる努力が足りなかったからこれから頑張っていけるんじゃないかと思っていたよ…
どれだけ長い時間がたったのかわからないくらい、深刻な顔で私たちはティーカップを見つめながらうつむき話し合っていましたが答えは出ませんでした
どうしたらいいか悩んだ私たちは、一度持ち帰ってお互いの仲人さんにも相談しようということになりました
帰りはすっかり暗くなっていて、お昼間通ってきた神田川沿いの桜並木は提灯の明かりに照らされてかなりいい雰囲気でした
先ほどあんなに重い話をしていても、会話が途絶えるわけではないのはよかったのですが、周りで楽しそうに手を繋いでお花見をしているカップルをみると、私たちってなんなんだろうと悲しくなりました
私たち、これで終わりなのかな…
続く