場面は変わり、比企軍。

人質としてとらえられている源太。


比企の狙いは黄金。中央には連絡せず、黄金を手にして、打倒頼朝を狙っていた。

比企「お前は黄金を手にしたら、どうする?」

蔵丸「貯金します」

比企「真面目だな。宇佐美、お前は?」

宇佐美「中央に報告させていただきます」

比企「なんでだよ!?」

宇佐美「あ、真面目なんで」


そこにやってきたのは影助。

敵なはずの3人が影助の存在を知っていたことに驚く源太。


影助「俺を軍に戻してほしい」


影助は黄金のありかについての情報と交換に征伐軍に戻りたいと懇願する。


蔵丸「じゃあ、とりあえずコイツを殺してもらうかな?」

源太「…え?」


源太を斬るように言われて、黙って差し出された刀を受け取る影助。


源太「影助さん…?」

宇佐美「もういいでしょ。別にそこまでしなくっても…」


とその時、刀を3人に向ける影助。

しかし、


影助「…な~んちゃって。あー!すいません、嘘です嘘です」


源太のそばに刀を捨て、相手から見て、源太が死角になるところで土下座を始める影助。

そんな影助に目がいっている間に影助が落とした刀で紐を斬り、逃げる源太。


それに気づいた時には源太は消えており、黄金を目当てにしていた比企は影助を仲間にする。

仲間となって、軍に復帰した影助に宇佐美は2人きりになった時に話し始めた。


比企にはついて行きたくないこと、そして、

宇佐美「あなたには何か見えているんじゃないですか?」

影助「…まさか、宇佐美さんも妖怪たちが見えるんですか?」


さっきのこともあり、宇佐美が優しい人間だということを知った影助は妖怪たちにしか黄金の場所を知らないこと、塩が苦手だということを話す。


場面は変わり、源太は命からがら泰衡たちの元に着いた。


泰衡「源太!!!」


源太に駆け寄り、頭をなでたり、頬を手で挟んだりして源太の無事を確認する泰衡。


泰衡「けがはないか!?」

源太「はい」

泰衡「よかった…!なんか無くなったものはあるか?耳はある?目はある?鼻は?」

源太「そんなことより、影助さんが!!」

泰衡「影助?まさか、1人で助けに行ったのか?」

じい「そう言えば、朝から見てませんな」

源太「影助さんは征伐軍の仲間だったんです!黄金のありかを教えることと引き換えに軍に戻って、ここに攻め込もうとしているんです!!」


その言葉を聞いて、表情がかわる伊佐四古。

伊佐四古「ほら、一番恐れていたことが現実になったじゃないですか」

泰衡「…」


伊佐四古が武器を調達するように村人に声をかけたその時、


蔵丸「今頃、武器の調達は遅いんじゃないですかぁ?」


と、蔵丸と影助が入ってくる。


影丸に今持っている刀で応戦する伊佐四古だが、まったく刃が立たない。


蔵丸「これからどうするのか、10秒待ってやるよ。」

と、10秒数えだす蔵丸。


蔵丸「きゅう…じゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~う…」

泰衡「…」

蔵丸「……い~ち、」

海尊「甘いな!!」

蔵丸「だって、何も言わないから」

泰衡「…あと、もう20秒くれ」

海尊「お前も甘いな!!」


泰衡「わかった。私を比企の元へ連れて行ってください。処刑するなりなんなり好きにしたらいい。しかし、その代わりに彼らや村人や自然には絶対に手を出さないと約束してください。」

蔵丸「いいだろう」


そうして、泰衡は蔵丸・影助に連れられて比企の元へ連れられて行った。

その途中で影助は『トン トン トン トトトン』と音を鳴らす。


それに反応する妖怪たち。

泰衡たちを追って行く。


さとり「お前も、行くか?」

海尊「え?」

さとり「俺たち…」

妖怪「仕事だ!」

海尊「え!?ちょっと!!?」


妖怪たちを追いかけて海尊も走っていく。


比企の元で縛られている泰衡。

比企「そこからの眺めはどうかな?」

泰衡「…いいですよ?」


むすっとしたように答える泰衡。

泰衡を殺し、そのあと女・子ども・高齢者・歯向かうやつらを殺し、残った村人たちに黄金を探させようともくろみ始める比企。


泰衡「約束と違うじゃないか!」