暗転
そして明転。
しかし、まだ残っている佐々木・宮本・千葉。
千葉「あのー。すいません。まだ居ます」(笑)
弁慶「おい、どうなっておる!!」
海尊「見てください!後白河天皇が消えてます」
確かに小手を取りに来た後白河が消えてしまっていた!
それに興味津津に海尊に近づいてくる頼朝と影助。それを長刀を振り回して振り払う。
弁慶「ちょっと、ちょっと、ちょっと!来んなって!来るなって!って一人の仕事量多すぎるだろ!(3人に向かって)お前らも手伝えや!」(笑)
弁慶の周りに頼朝軍の兵士が集まる。
応戦しようとする佐々木を遮る弁慶。
頼朝の合図とともに一斉に槍で刺される弁慶。
佐々木「弁慶ーーー!!!」
しかし、にらみを効かせて敵を威圧し続ける弁慶。
更に一斉に槍で突く頼朝軍。
それでも長刀を振り回し戦い続ける。
頼朝「弁慶…」
フラフラになりながら頼朝にポケットの中にあった焼き肉屋のチラシを差し出す。
弁慶「はじめて戦う意味がわかったんじゃ!はじめて守りたいものも見つかった!」
「人は一人じゃ生きられない。守るものがある者は強い。それはこれから先の時代に必要ものだ。それは仲間と言うそうじゃ。それを頼朝様に…頼朝様に!」
影助「矢を放て!!」
矢が弁慶に刺さる。
頼朝「もう良い!!」
弁慶「もし、同じ時代に生まれていたら、わしも仲間になれたかなぁ」
地響きがして暗くなる。
弁慶「わしも、焼き肉とやらに行けたかなぁ」
佐々木「きっと時代が僕らを弾いたんだ。こうして出会うために」
頼朝「あたらしい世界か。キラキラしてるな」
幕が閉まる。
『これは、のちに頼朝が「御恩と奉公」という新しい制度を定めるきっかけとなった、一人の荒くれ者のお話』
再び幕があがる。
バイクに乗ってる千葉とバイクに2ケツしている宮本と佐々木。
宮本「戻ってきたのか?」
近藤「おい、お前ら探したぞ!!探してフェリーに乗ってしまった」
宮本「なぁ、歴史で弁慶っているだろ。あいつどうなった?」
近藤「なんだよ、話そらすなよ」
宮本「いいから!」
近藤「死んだよ」
宮本「じゃあ、義経は?」
近藤「何百年まえのことだと思ってんだよ。死んでるよ」
宮本「そっか・・・」
落ち込んだ様子の宮本。
近藤「でもな、こんな説もあるぞ。義経は実は生き残っていてモンゴルに行くんだ。モンゴルでチンギス・ハンとして生き続ける」
千葉「ちょっと待って!俺らが持ってたチラシの店の名前、『ジンギスカン』だろ?なんやかんやあって『チンギス・ハン』?」
近藤「…お前は本当にダメだな」
千葉「だめっていう言葉で片付けんな!!」
近藤「まぁ、海尊という坊さんが話して歩いてたらしい。子連れで話歩いたってことで教科書にも載って有名だからな。」
千葉「海尊!!知ってる!!」
近藤「お!海尊を知ってんのか!」
千葉「うん!知り合い!!」
近藤「・・・だめだ、お前。社会不適応者だわ」
千葉「誰が不適応じゃ!!超適応しとるわ!!」
佐々木「そっか、弁太郎も無事だったんだね」
宮本「でも、近藤の顔を見たらなんか泣けてくるな(笑)」
千葉「あれ?このどストライクな匂い…」
4人の後ろを小手をもって歩いていく後白河。
千葉「あれ、後白河じゃね!!?」
宮本「後白河もこの時代に飛ばされて来たんだな」
近藤「おい、ホームレスに向かって後白河って呼ぶんじゃない!天皇だぞ!お前、ホームレスと知り合いなんか?」
千葉「うん!」
頭を抱える近藤。
千葉「焼き肉食いに行こうぜ!」
佐々木「え?千葉君、焼き肉の匂い嫌いじゃなかったの?」
千葉「鼻とりかえたの」
近藤「焼き肉って、修学旅行中だぞ」
千葉「だーかーら、先生が生徒に焼き肉連れてって絆深めるっつーの?」
そんなことを話していると地元のヤンキーが集まってくる。
近藤「山口県下関のヤンキーのみなさん!」
ヤンキー「さっきはやってくれたな」
お互い詰め寄るヤンキーと宮本。
近藤「いいか!敵に勝つにはまず己に勝つべし!」
宮本「…そして、時には戦わない勇気も必要なり…みんな逃げろぉ!!」
近藤だけ残して逃げ出す3人。
近藤だけがヤンキーにフルボッコされ、幕が閉まる。
【完】