玉龍に大福を渡す紀文。


玉龍「…よく、私の好きなものがわかったな」

紀文「それは…」

兆冶「そーでしょ!?本当によくわかりましたねー!!」


そこへまた神田一行が乗り込んでくる。


男①「いいかー!神田様は子どもが初めて買い物に行く一部始終を見ても泣かないんだぞ!」

神田「ガキの買い物なんかクソくらえだ!!!」

(大の暴走スタート。いつも同じタイミングで隠れて笑うラフコン)


紀文「おい!!!まじで落ち着けって!!!」←まじ


側近の2人が紀文と兆冶によってやっつけられる。

神田に刀が託されたが戦いに慣れてない様子の神田。


座りこんでいる神田を後ろからまたぎ、刀を首元につきつけるハカセ。

が、紀文がそれをなだめる。


神田「いや、将軍の後継者になりうる人が吉原にいるという話は聞いたことがあるが…」

旦那「まさかぁ~」

紀文「…幕府がここ吉原を狙っているという話もあるからな…」



紀文「お前、侍より商人の方が向いてるよ。口は達者だしさ。」

と神田に商人になることを勧める紀文。

神田達はそそくさと帰っていってしまう。


ハカセ「おい!武士の命の刀を忘れてってるよー!」

神田「あ、はい、いらないっす。」


兆冶「なんで、おいしいところを私に?」

戦う時、かっこいいところを全部ゆずっていた紀文。


紀文「なぁに、大福のお返しだよ」

玉龍「やはりお前だったか…」


部屋に戻っていく玉龍。

兆冶「あの」

玉龍「…熱は下がった」


みんな出ていってしまい、ハカセと旦那だけになる。


旦那「わしの分の団子も買ってこいよ」

ハカセ「はぁ!?誰が買うてくるか!!」

旦那「じゃあ手相見てやるよ。手を貸せ」

ハカセ「え?…あぁ、ありがと」


手のひらを見せるハカセ。

でも、旦那の右手はチョキ。


旦那「ほら、勝ったーー!!!じゃあなー」

ハカセ「はぁ!?てめーなにしてんじゃこらぁ!!」

旦那「あぁん!!?」

ハカセ「今度は俺が手相見てやる。手を貸せ…ほーら俺の勝ちぃ~」

旦那「でも、こっちの手はグーにしとったから!」

ハカセ「ずりぃーじゃねぇか!!」

旦那「じゃあ、お前の分の大福も買うてきてやるよ」

ハカセ「…実はいい人じゃーん♪」

旦那の後について歩いて行くハカセ。


仕事が終わり、約束の場所にやってきた玉龍。

男から、将軍の後継者になりうる人が紅華屋に居る。

体格から「麻呂」がそうだという話を聞く。


玉龍「…われらの任務が終わる日も近いな…」


紀文がこっちに向かっていることを聞きつけ、謎の男たちは逃げていく。


紀文「あ、玉龍さん」


紀文と玉龍の2人きり。

紀文は自由だ、と言う玉龍に対して、玉龍さんは縛られて苦しそうな顔をしている、と話す紀文。

自由とはなにか、を考える玉龍。


夢を語り、自分と一緒に行ってほしいと話す紀文。


玉龍「私には、自由よりも大切なものがある…」


そう言って、帰ってしまう玉龍。


兆冶「…ふられちゃいましたねー」


紀文「見ていたのか」


兆冶「私にも自由よりも大切なものがあるんです」


紀文「玉龍さんと同じことを言うなぁ~…」


ハカセもやってくる。


ハカセ「俺の中では、もうお前は『ふられた人』ってなってるから」

紀文「あんたも見てたのか!!!」


紀文はしょんぼりしながら帰っていく。


ハカセ・兆冶の元に御釜と麻呂がやってくる。


ハカセ「あいつ、信じていいのかなー」

兆冶「後継者がいるかもという話を一緒していたから大丈夫だろう。…もう時が近いのかもしれない」


4人とも刀を取り出す。


御釜「…あんた若いのにね」

そう言って麻呂を見る御釜。



また、前のように階段に座り、勉強の本を持っている綱丸と麻呂。

勉強が面倒くさいと横になる麻呂。


そこに紀文がやってくる。


綱丸「あ、紀文兄ぃ!今日は他の国の話をしてよ」

紀文「今日はいいものを持ってきたぞ」


そう言ってシャボン玉をし始める紀文。


綱丸「なにこれ!!すごい綺麗だ!!」

紀文「これは下町で売られている『しゃぼんだま』というものだ」


そこにたまたま通りかかった玉龍。


玉龍「…綺麗ねぇ…」


シャボン玉を取ろうとして割ってしまう綱丸。

綱丸「あれ?無くなっちゃった…」

玉龍「自由みたいね。ふわふわどこにでも飛んで行けるのに、つかもうとすると壊れる」


そう言って行ってしまう玉龍。


紀文「なぁ、お前はここに来る前は何をしてたんだ?」

綱丸「んー、ここに来るまでの記憶がないんだ♪」


階段の上にある皿を見つける。

紀文「これなんだ?」

綱丸「あぁ、『かまぼこ』っていう珍しい食べ物だよ。食べてみる?」

紀文「あぁ…旨いな!!」


食べ終わって行ってしまう紀文。


すると周りが急に騒がしくなる。どうやら、店の前で大きな喧嘩が始まったらしい。


綱丸「ねぇ!!!麻呂、喧嘩見に行こうよ!!きっと、紀文兄ぃがやっつけてくれるよ!」

麻呂「えー…眠いからここで寝てるー」

綱丸「えぇー…じゃあ、僕だけ見に行ってくるからね!!」


走って表に行く途中にキセル箱を倒してしまう綱丸。


しばらくすると紅華屋に煙が充満してくる。

店の中を逃げまどう花魁たち。


綱丸「なんで、なんで火事になってんだよ!!!!!」